第二幕その四
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「今君はかなり必死に見えるけれど」
友人を気遣う顔を作って彼に問うのだった。
「一体全体。どうしたんだい?」
「いや、別に」
ここで少し落ち着きを取り戻して返した。
「何もないけれど」
「本当にそうかい?」
「そうだよ。何もないよ」
そうは言っても自分でも動揺していたのはわかった。今ではかなり収まっているがそれでもである。動揺しているのは明らかであった。
「何もね」
(けれど)
心の中で呟きもした。
(何でこんなに焦っているんだ?今の僕は)
(さて)
そしてダヴィッドはダヴィッドで彼のそうした動揺を見抜いて心の中で言うのだった。
(彼も間違いないな。どうしようかな)
「ああ、フリッツ」
「カテリーナが来たよ」
「あれっ、どうしたんだい?」
「お客様です」
彼女はフリッツの側まで来てこう告げてきたのだ。
「それでお屋敷に戻って頂きたいのですが」
「ああ、そうなのか」
客が来たとなればだ。主としては戻らなくてはならなかった。それで彼女の言葉に頷いたのだった。
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