第十八話 最近よく夢を見るんだ
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入も大幅減だ、何より面目丸潰れだ。馬鹿だから助けてやると言われたのだからな。それに爵位を持つ貴族達は帝国騎士など貴族とは認めていない。つまり連中にとっては人間から猿にでもなったようなものだろう。
今後、新無憂宮で連中の姿を見る事は無いだろう。それでも命は有るんだ、文句を言える筋合いではない。俺に全権が有るなら死刑にした、実際そう主張もした。馬鹿八人衆は不当だと騒いだ。おそらくはブラウンシュバイク公のとりなしを望んだのだろうが公は動かなかった。それどころではなかっただろう、自分自身に反逆の嫌疑がかかっていたのだから。
ブラウンシュバイク公にも処罰は下った。不適切な進言をして軍に損害を与えた事に対する処罰だ。ただし馬鹿八人衆が犯した罪には無関係であると認められた。処罰の内容は帝国に対し一千億帝国マルクを納めるようにとの罰金刑だった。大金だがブラウンシュバイク公爵家にとっては大した事は無いのだろう。判決の翌日には納めたようだ。もう一週間が経つだろう。
「艦隊の方は如何ですか、訓練は順調に進んでいますか」
「今のところ問題は有りません。しかし宜しかったのですか? あの三人を頂いてしまって」
クレメンツが俺の顔を覗き込んだ。
「構いません。こちらはグリューネマン、ヴァーゲンザイル、アルトリンゲン准将を配備します。シュタインメッツ、グローテヴォール少将と組ませれば十分でしょう」
今回、クレメンツを正規艦隊司令官にした。これで正規艦隊は五個艦隊、グリンメルスハウゼンの直率艦隊を入れれば六個艦隊が動員可能だ。クレメンツ艦隊には副司令官にブラウヒッチ少将、分艦隊司令官にクナップシュタイン少将、グリルパルツァー少将を配備した。今回昇進した連中だ。そしていずれも元帥府の若手士官では評価が高い男達でもある。まあクナップシュタインとグリルパルツァーは俺の傍よりもクレメンツの下の方が安全のような気がする。何が安全かは言うまでも無い。
「そろそろ戻られませんか」
「いや、もう少しここに居ます。考えたい事が有るんです」
「なるほど、ただ桜を見ているというわけではないのですな」
「……」
敢えて答えなかった。本当は考えなければならない事が有るんだが花見に逃げていたんだ。碌な事になりそうもないからな。
「小官で相談になれますか?」
「うーん、如何でしょう。……でも聞いてもらいましょうか。実は……」
事の発端は先日行われた戦勝祝賀パーティだった。翠玉(すいぎょく)の間で行われたのだがお世辞にも盛会とは言えなかった。軍法会議が終わるのを待ったため間延びしたという事も有るが軍法会議で貴族、軍人に処罰された人間が出たという事が大きいだろう。特に八人も犠牲者を出した貴族達にとって素直に喜べる戦勝祝賀パーティでは無かったのだ。
俺も決して
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