第十八話 最近よく夢を見るんだ
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を持っているクライスト、ヴァルテンベルクはどう見てもボンクラにしか見えないグリンメルスハウゼンに従うのが馬鹿らしくなった。それ以上に俺から出る命令に従うのが我慢出来なかった。オーディンからイゼルローン要塞までは四十日有る。その間、あの二人は自分達の力で戦闘に勝つ、俺の指示には従わないと決めたらしい。問題はそれをあの馬鹿八人衆の前でぶちまけた事だった。
馬鹿八人衆はそれを自分達にも指揮権が有るのだと受け取った。クライスト、ヴァルテンベルクにしてみれば予想外の事だっただろう。二人にとっては馬鹿八人衆はあくまで観客だった。それが何時の間にか自分達はプレイヤーだと主張し始めたのだから。
彼らは口出しを防ごうとしたが無駄だった。誰のおかげで此処に居られると思っていると言われては言い返せない。戦闘開始後は馬鹿八人衆の遣りたい放題だった。馬鹿な話だ。総司令部の指示に従っていれば馬鹿八人衆に対してそれが軍の決まりだと言って口出しを防げたはずだ。自分に決定権が有る等と言うから付け込まれた。
結局あの二人には指揮権など無かった。ただ馬鹿共が損害を出し続けるのを黙って見ているだけだった。実際その指揮ぶりはかなり酷かったらしい。司令部要員の証言によれば四人がそれぞれ整合性のとれていない命令を出し、どれに従って良いか分からないのが実情だったらしい。結局はただひたすらに混乱した、そういう事の様だ。
戦闘時間は四時間を超え五時間近かったがクライスト、ヴァルテンベルクの二人にとっては拷問に近い五時間だっただろう。彼らは軍人として命令違反がどれほどの重罪かは分かっている。それを延々と犯しているのだから。自分が徐々に徐々に死んでいくような気分だっただろう。
オーディンに戻ると早速軍法会議が開かれた。遠征軍がまとめた調書をもとに憲兵隊が再捜査しそれが軍法会議の調書として使用された。今回の軍法会議は軍人、貴族が被告というちょっと変わった形での開催になった。俺も証言を求められた。別に隠す事は何も無かった。それに三長官からも思う所を存分に述べよと言われたから正直に話した。馬鹿共が命令違反を起こすだろうと思った事、だから本隊を中央に置かなかった事。そしてこのような事が二度と起きないように処分は厳しくするべきであると。
判決はそこそこ厳しかった。クライスト、ヴァルテンベルクに対しては抗命罪が適用され死罪となった。但し、温情を以って自裁が許された。そして馬鹿八人衆に対してはその行為は反逆罪と認められるが無知によるものとして情状酌量が認められた。本来なら死罪だが領地、爵位の取り上げの処罰が下された。つまり今後は爵位を持たぬ貴族、帝国騎士になるわけだ。まあ生活に困る事は無いだろう、領地以外にも利権とか持っているだろうからな。
しかし私設艦隊を維持する事は不可能だろうし収
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