第7話 遠山家の奥義
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確認し終わり、落ち着いた所でかなめに謝るが、
「だ、大丈夫。ちょっと、くすぐったかっただけだから……」
弱弱しく声が返ってくるだけで、少したっても顔を上げない。
「かなめ、お前どうし……」
と、かなめの方を少し覗いた所で気づく――
「……ごめん、ちょっとだけ待ってお兄ちゃん。あとちょっとで落ち着くから……」
かなめがなりかけていたのだ――ヒステリアモードに。
いや、この感じからすると甘ヒスになっているかもしれないぞ。
そんな覗きこむ俺に気づいたかなめは、少しヒスってるせいか、少し女性らしい笑みを浮かべながら、
「あはは……お兄ちゃんと一緒のコタツで寝れて、少し興奮してたのを必死に誤魔化してたんだけど……お兄ちゃんに触られて、少しヒスっちゃった……」
と、言ってきた。
コタツに俺と寝てるだけで何を興奮することがあるんだよ……
それとも、俺が触った所が悪かったのか?
俺が触ってた所ってあれだろ、スカートの奥が当たってたって事は、かなめの下着を穿いている所ってことで……
――これ以上考えるのは止めよう!
とにかく、俺も少しからず悪かった。それ以外に考えることは何もない!
かなめがヒスってるのは確かだしな!
なら謝るのが礼儀だ。
「……なら、少し落ち着くまで寝てろ。あと……ホントに悪かった」
「ううん、別にいいよ。誰も今この部屋にいないから。……でも、ヒスった感じってこんな感じなんだ。前回の時のこと、ほとんど覚えてないから初めての感覚かも」
なるほど、甘ヒスだから完全には切り替わっておらず、泣き出したりもしないし、記憶が残るのか。
「へぇ、どんな感じだ?」
俺のヒステリアモードと女性版ヒステリアモードでは、感覚に違いがあるかもしれないので、気になって聞いてみた。
俺の場合、思考が冴えるのと同時に、身体の芯が熱くなり、さらに肉体が活性化していく感じなのだが……
かなめだと男の俺と違って、『弱くなる』ヒステリアモードなので、どんな感じなのだろう?
「なんか、前なった時の微かに残ってる記憶に、ヒスる前のがどんな感じだったかあるんだけど……それと一緒で真芯が……お腹の奥が、きゅんってして……頭の回転は速くなってる感じなのに、あまり物事が考えられなくて、身体がやけに重い……」
「なるほど……」
その会話を最後に、しばらく俺とかなめは黙り、部屋には台所で婆ちゃんが料理しているのか、微かに聞こえる包丁の音だけになった。
気まずい……
かなめをヒスらしてしまったのには、俺も少しは関係しているはずなので、何か収まることを手伝いたい気持ちもあるのだが……実質、ヒステリアモードを抑えるには、なりかけてる本人が気持ちを落ち着ける他にない。
なので、俺には何
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