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少女1人>リリカルマジカル
第三十八話 少年期【21】
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ているが、一瞬ビリッした感覚が身体に感じるらしい。それによって動きが一時的に封じられてしまうようだ。

 ルールとして、飛来物は魔法を使ってなら壊すことができるらしく、さっきゴールしたやつも射撃魔法を撃って壊していた。この障害物は避けるか壊すかして、進む必要がある。

 飛来物が終わったら、次は的当てだ。コースの途中に的が現れ、それを打ち抜ければ進める。的は10メートル以上離れたところにあり、しかも大きさはリンゴぐらいしかない。低学年でこれって難しすぎないかと思ったが、高学年はさらに距離があき、ピンポン玉ぐらいの的を複数狙うらしい。中等部になったらそれがさらに動き回るようだ。マジでか。

 時間は1分30秒間のみだから、本当に時間との勝負だ。距離だけならトラック半周ちょっとぐらいしかないから、普通に走ったら30秒あれば余裕でゴールできる。つまり残り1分間で飛来物を避け、的を撃ち抜かないと間に合わないという訳か。考えれば考えるほど目が遠くなる。


「アルヴィン、2人がスタートするわよ」
「えっ、おう。そういえば少年Eのやつ大丈夫かな。先生から今回のレースは『ぎゅうにく』を召喚したらダメだって言われていたし」
「……牛肉を呼び出してどうするの」

 あの大きさだと他の子の走る邪魔になってしまうし、なにより彼は温厚な生き物だが、何分顔が怖い。すごく怖い。めっちゃ怖い。そんな理由があり、ミノさんの召喚は無理ということになったのだ。確かに子どもが見たらビビるし、泣くわな。

 そんな風にどうでもいいことを考えていたら、ついにスターターが切られた。少年Eの順位は5位で、紫の子は3位か。走る速さだけなら、少年Eは俺たちのメンバーの中ではそれほど速くはない。あいつがもし上位を狙うのならば、障害物が鍵だろう。正直ゴールできるか自体が不明なんだけどな。

「あっ、第一関門に入った」

 少年Eの右側からボールが飛んでくるのを見つける。彼もそれを確認したのか、身体を少し左に捻ってそれを避けた。だが、次は前方と左からそれぞれ速度の違うボールが向かってきていた。あの体勢じゃ2つ一気に避けるのは難しい。それに思わず声をあげそうになったが―――

「錬鉄召喚。アルケミックチェーン」

 彼は相変わらずの無表情で左手と右手をそれぞれの飛来物に向け、白い魔方陣を発動させる。そこからジャラリと鎖が伸び、ボールに当たって彼方へと弾き飛ばした。そのまま左手に魔方陣を発動させた状態で駆け抜ける。鎖はまるで生きているように少年Eの周りを動き回り、彼に向かう飛来物を撃ち落とし、時にはいなしていた。

「アクセラレーション」

 少年Eと同じように手に装着されたグローブ型のデバイスを起動させる紫の子。あれって確か補助魔法だっけ。もともと2人の持つデバ
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