第三十八話 少年期【21】
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」
ちなみにこの競技の参加資格というのは、魔法が使用可能であるかということだ。この徒競走は、母さんとコーラルのおかげでそれなりに魔法が使えるようになったため、参加可能になった競技である。ちょっとした障害物があるらしく、それを魔法で切り抜けながらゴールを目指すのだ。
と言っても、初等部低学年はまだ魔法を習ってはいないため参加人数は少ないし、使用する魔法のレベルが低くても大丈夫らしい。なんせ俺でも参加OKをもらったしな。順位はあるもののゴールさえできれば、必ずポイントが入るのも魅力だ。普通に走るよりもこっちの方が面白そうだから俺は選んだ。魔法に関しては個人差が大きく、飛び級制度があるからこその競技なのだろう。
あと体育祭の競技は基本、身体能力か魔法のみしか使えないため、俺のレアスキルは今回はお休みということになる。さすがに俺もズルをするつもりはないので、使うつもりはなかった。まぁ競技の中にはレアスキル使用可能なものもあるが、1年生にはそんな競技はないからどっちみち気にしなくてもいいだろう。
「あっ、クーちゃんも徒競走に出るって言っていたかも」
「そうなのか? まぁ少女Dは俺たちの中で、一番実践的に魔法の訓練をしているからおかしくないか。うわぁ、これは強敵だ」
少女Dは身体を動かすのが好きだから、体育祭とか特に気合いが入っていることだろう。俺も運動は好きな方だし、勝負をするのならやっぱり勝ちにいきたい。気持ちをしっかり入れていこう。
「よし! それじゃあ、そろそろ時間だし、気合い入れていくぞアリシア!」
「うん、気合い入れていこう!」
『お二人とも頑張って下さいね。マイスターと一緒に応援をしますので』
「にゃ!」
コーラルとリニスに応援の言葉をもらったことだし、俺たちはうなずき合い、利き腕を大きく振り上げた。そして、みんなで『おー!』と声を揃え合う。それでは、いざ出発だ!
「むぅ、お母さんとも一緒に気合いを入れたかったなー」
『仕方がないですよ。保護者席のベストポジション確保のために、1時間前に先に出発されましたから』
「……たぶん、誰よりも気合い入っているのは母さんだよな」
子どもよりも先に、保護者同士の運動会がすでに始まっていそうでした。
******
秋晴れの空の中、俺たちはクラ校で一番広いグラウンドに整列をしていた。
そこで始まった開会式は滞りなく行われている。全校児童の人数が多いため、移動や整列に少々時間はかかったが特に問題はなかった。両校の校長先生たちからの話を聞き、互いにエールを送り合う。その後、それぞれの学校の代表が握手を交わし合っていた。中等部と初等部でそれぞれの代表が前に出ている。
クラ校の中等部代表の先輩は、全体練習
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