第五十話 政府の判断その十一
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「相互に親しく交流をして和気藹々としていました」
「仏教のお坊さんともですか」
「神主さんともです」
神道ともだった。
「勿論プロテスタントの方とも天理教の方とも」
「あっ、天理教もですか」
「理事長さんが天理教の信者でもあられて」
それでだというのだ。
「天理教の教会長になれるコースもあります」
「天理教学科ですか」
「勿論天理大学がそれの第一ですが」
そもそも天理教の教会長を育成する為の大学が天理大学だ。尚天理教を世界に広める為の語学の分野も凄い大学である。
「八条大学でもありまして」
「それで、なんですか」
「そうです。天理教が一番女性の力が強いですよ」
「キリスト教よりもですか」
「はい、遥かに」
女性の力が強いというのだ。
「神父とシスターでは歴然たる差があるのがキリスト教です」
「そうですか」
「司教、大司教、そして枢機卿は皆男性です」
「けれど法皇様は」
「タロットカードですね」
「一人だけおられたんですよね」
「伝説では。バチカンでは今も公では認めていません」
タロットカードにあるあの存在は公の存在ではないというのだ。
「ですから」
「かなり男の人の力が強いんですか」
「男尊女卑の宗教であることは否定出来ません」
「ですか」
「それに対して天理教はそもそも教祖が女性でして」
中山みきという。天理教においては『おやさま』と呼ばれ今も慕われている存在である。尚存命の理という話があり今も魂はこの世にある。
「そこからですから」
「女の人の力が強いんですか」
「他の宗教と比べてかなり」
「かなりですか」
「はい、強いです」
まさにそうだというのだ。
「私も驚く位に」
「ううん、そうですか」
「そしてどうも世の中は女性の力が強い程平和になりますね」
「女の人は戦いを好まないからですね」
「そうですね。男はどうしても好戦的な人が多いです」
それに対して女性は、というのだ。
「女の人は子供を生んで育てますし」
「平和的になりますか」
「その様ですね」
「そういえば銀月さんは」
上城はここで聡美のことを思い出した。
「戦いを好まれないみたいですね」
「女性はおおむねそうです。ただ」
「ただ?」
「銀月さんとは私も何度もお会いしていますが」
大石は彼から見た聡美のことを上城に対して話した。
「戦いは好まれないですがスポーツやそうしたものはかなりお好きですね」
「ですね。アーチェリーもしておられますしかつては陸上もしておられたみたいですね」
「どうも狩りをされる様な」
大石は自然にこうも言った。
「そうした感じの方ですね」
「そういえば狩りとか得意そうですね」
上城も大石のその言葉に成程と頷いた。
「あの人は」
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