第三十九話 読書感想文その九
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「日本はね、宗教が違ってもね」
「お付き合いがあるのね」
「うちの学校だってね」
今度は五人が通っている八条学園の話だ。
「ほら、大学に宗教学部ってあるじゃない」
「あそこね」
「あそこって仏教も神道もキリスト教もあって」
それぞれの学科だ、天理教も当然ある。
「それぞれの宗教を勉強出来てお坊さんや神主さんの資格も得られるじゃない」
「そういえば大学に行くと」
「お寺も教会も神社もあるわよね」
「ええ」
「お互いにお付き合いしてるから」
この学園の中でもだというのだ。
「神父さんのところにお坊さんが行ってね」
「お話してるの」
「いや、それが般若湯っていってね」
酒のことである、僧侶は酒をこう呼んで酒を楽しんでいるのだ。このことは昔からそうしていることではある。
「ワイン飲んでるのよ」
「物凄い生臭じゃないのか?それって」
「ううん、まあね」
「結構あれな坊さんだよな」
「信仰自体は真面目よ、それにちゃんと相談とかにも乗ってくれるし」
「酒飲んでてもか」
「あれは般若湯だから」
これでいいというのだ、表向きにしても。
「いいのよ」
「酒飲んでてもか」
「それにワインはね」
教会で飲まれるそれはというと。
「あれは神様の血だから」
「いや、だから宗教違うだろ」
キリスト教と仏教だ、どう考えても違う。
「無茶苦茶過ぎるだろ」
「まあねえ、それはね」
「何かいい加減に済ませてるんだな」
「神父さんや牧師さんもお寺で般若湯飲んだり神社で御神酒飲むから」
まさにどっちもどっちだった。
「言っていくとね」
「きりがないか」
「信仰って心だし」
それさえあればいいというのだ。
「まあお酒位はね」
「いいか」
「ええ、結構そういうものよ」
「まああたしもお酒好きだしな」
宗教関係者ではないがだった、美優もここで自分のことを考えて言った。
「それを言ったらな」
「そうでしょ」
「ああ、言えないよな」
僧侶達を批判出来ないというのだ。
「そういうことか」
「そう考えてるのよ、私達はね」
八条町の宗教関係者達はというのだ。
「まあとにかくうちじゃ夏休みはね」
「終わったらやっと、ってものか」
「そう、多分私もね」
景子自身もだというのだ。
「大人になって子供が出来たりしたら」
「夏休みが嫌なものになるのかしら」
琴乃が言う。
「そうなるっていうの?」
「考えてみたら夏休みって子供だけのものじゃない」
「ええ、それはね」
大学生までだ、尚学校の教師も最近は夏休みといっても忙しくなっている。少なくとも暴力教師が部活に顔を出して暴力を振るう時間的余裕はなくなっている。
「そうよね。じゃあ」
「私達全員がね」
結婚して子供が
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