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とある星の力を使いし者
第82話
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だ?」

「お前はこれを見て何とも思わないのかよ!」

二人のやり取りをステイルは黙って見ている。

「何がだ?」

「姫神はこのくだらない騒動に巻き込まれたんだぞ!
 お前のおかげで怪我は治った。
 けど、それでおしまいって訳じゃねぇだろ!
 「使徒十字(クローチェディピエトロ)」が発動すれば、この姫神の怪我もローマ正教の都合の良いように改変されるんだぞ!!」

上条は麻生に向かって叫ぶ。
麻生は自分の肩を掴んでいる上条の手の上に自分の右手を乗せる。
瞬間、上条の身体は空中で一回転して地面に叩きつけられる。
その衝撃で上条のポケットから携帯が飛び出して、地面に転がる。

「いいか、もし秋沙が死んでしまったのなら俺は何が何でもオリアナを殺す。
 そのリドヴィアって奴も殺すし、「使徒十字(クローチェディピエトロ)」も破壊する。
 だが、秋沙は生きている。
 それで充分だろ。」

地面に倒れている上条を見下ろして麻生は言った。
そして、前と同じように上条達に背を向ける。

「お前は・・・それでいいのかよ。」

上条は地面から起き上がりながらも麻生に言う。

「姫神は俺達とナイトパレードに行きたいって小萌先生が言っていた。
 楽しみしてたんだぞ。
 それを「使徒十字(クローチェディピエトロ)」なんかっていうモンに邪魔されたんだぞ。
 お前は何とも思わないのかよ。」

それを聞いた麻生は足を止める。
足元に落ちている上条の携帯を掴むと、そのまま上条に投げ渡す。

「俺は俺の為に戦う。
 ただ・・・それだけだ。」

そう告げて麻生は裏路地を出て行った。
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