第82話
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だ。
それよりお前達は耳を塞げ。」
「え?」
「いいから、さっさとしろ。」
麻生に言われ、ステイルと上条と小萌先生は言われた通り耳を塞ぐ。
そのまま麻生は人混みの方に振り向いて、指を鳴らした。
瞬間、キーンという音が鳴り響く。
その音を聞いた生徒達はピタリ、と動きを止める。
「今すぐこの場から去れ。
そして、この事は忘れろ。」
その言葉に従うように人混みはぞろぞろと解散していく。
「何をしたんだい?」
奇妙な光景を見たステイルは眉をひそめて麻生に聞く。
「音を触媒にして、あいつらの脳に接触した。
俺が命令すればその通りに動いてくれる。
姫神には効かないようにある一定上怪我をしている人には通用しないように設定した。」
そして、麻生は小萌先生に近づく。
小萌先生のほっぺたも、チア衣装のタンクトップやミニスカートも、こすり付けたような赤黒い血で染まっている。
「何でですか。
さっきまで姫神ちゃんと話をしていたのですよ。
麻生ちゃんや上条ちゃんとナイトパレードを回りたいって。
色々予定を建てていたのに、それなのにどうしてなのですか。」
小萌先生の独り言を聞いて麻生はピクリと反応する。
しかし、顔には出さずに小萌先生に言った。
「先生、救急車には連絡しましたか?」
「はい、ちゃんとしたのです。」
「なら、この路地から出て入り口で救急隊員の人を迎えに行ってください。
この位置だと分からない可能性があります。」
「姫神ちゃんはどうするのですか?
このまま放っておくのですか?」
麻生は一度だけ地面に倒れている姫神を見る。
「秋沙の怪我は俺が治します。
だから、先生は一刻も早く救急隊員を連れてきてください。
さっきは治すと言いましたが完璧に出来るかどうか分かりませんから。」
「・・・・・・・分かったです。
麻生ちゃん、姫神ちゃんを助けてあげて下さい。」
涙を流しながら小萌先生は走って裏路地を出て行く。
そして、麻生は血の海の中で倒れている、姫神秋沙に近づき、しゃがみ込む。
左手を姫神の額の上に乗せて目を閉じた。
(まずは、痛んだ細胞を再生、修復。)
麻生の脳裏には姫神の体内が見える。
細胞や血管、神経など細かく見える。
傷ついた血管や重要な神経なども治していく。
最後には身体についている傷を治して眼を開けた。
先程と違い、聞き取りずらかった呼吸だが、今ははっきりと聞こえる。
「傷は治した。
失った血も増幅させたから命に別状はない。
後は病院の医者に任せれば問題ないだろうな。」
そう告げて、麻生はその場から去ろうとする。
それを上条が肩を掴んで止めた。
「何
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