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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
五十七話:外の世界へ
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悟の上の信頼を以て、やっぱりマリアさんを抱え、ヘンリーに抱えられた状態でうとうとしていると。

 不意にがくんと振動が伝わってタルの揺れが収まり、代わりにごろごろと、少し転がって。
 波に揺られてしばらく動きがあったものの、やがて完全に落ち着いて、動きを止めました。

 ……着いたのか。

 ……は、いいんですけど。

「これさ。どうやって出るの?」
「……」

 私の問いに、無言で頭上を押し上げるヘンリー。

 タルが横倒しになってるので、私とマリアさんの体重が、全部ヘンリーにかかった状態になってますが。
 うん、逆じゃなくて良かった。

「……開かねえな」
「ええ?私も押すから、もう一回、やってみよう」
「おう」

 というわけで、ヘンリーと私の二人がかりで蓋を押してみます。

 びくともしない雰囲気を察して途中からマリアさんも、非力ながらも参加してくれましたが。

「……開かない」
「……燃やすか」
「やめて。酸欠で死ぬ。それなら、バギのほうがまだ」
「それもヤバいだろ。中で荒れ狂ったらどうすんだよ」

 それもそうだ。

「あ。荷物の中の、武器を使えば」

 私の荷物に刃物的な物は無いが、ヘンリーのがあるなら、ブロンズナイフがあるはず!

「ちょっと待ってね。探すから」

 と、暗闇で荷物をごそごそしてるうちに、人の気配と話し声が近付いてきました。

 ああ、助かったかも。

 果たして私の期待通りに、タルに外から人の手で力が加えられ、蓋が開いて光が射し込みます。

 ああ、太陽の光が、こんなにもありがたいものだなんて……!

「中に、人が!生きてます!」
「なんですって?意識があるのですか?怪我は?大丈夫ですか?」

 心配そうに覗き込み、声をかけてくるシスターのみなさんに微笑みかけて、お礼を言います。

「みなさんのお蔭で、助かりました。ありがとうございます」

 普通に感謝を込めて微笑みかけただけですが、シスターのみなさんの顔が赤くなります。

 うむ、まさにニコポ!
 罪な女だね、私!
 ヘンリーに載っかってマリアさんに載っかられた状態というのが、カッコつかないが!

「すみませんが、手を貸していただけませんか?」

 外のみなさんに声をかけつつ、マリアさんを持ち上げて脱出を助けます。

 我に返ったみなさんが慌てて引っ張り出してくれて、すぐにマリアさんはタルの外の人になりました。

 続いて私も自力で出ようかと思いましたが、ヘンリーが手を貸してくれたので。
 よく考えたら自力でってヘンリーを潰しながら移動することなので、大人しくヘンリーとみなさんの助けを借りて外に出ます。

 最後にヘンリーが手を貸すまでも
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