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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
五十七話:外の世界へ
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ちっ。わかったよ」

 なんだ、その舌打ちは。
 まだなんかする気だったのか!

「……心配して、損した」

 これからどれくらい漂流するのかわからないし、うっかり死なれたら困るので、一応ヘンリーを回復しながら愚痴る私。

「とにかく、良かったよ。私のせいで、また死んじゃうのかと思った」
「……お前」
「生きてるなら、いいよ」
「……悪かった」
「いいよ。生きてたし。庇ってもらって、助かったし。ありがとう」

 その後のセクハラが無ければ、普通にカッコよかったのになあ。

 と、私が溜め息を吐いたところで、息を潜めていたらしいマリアさんも、大きく息を吐きます。
 なんというか、蚊帳の外にしてしまって非常に申し訳ない。

「マリアさん、すみません。気を使わせてしまいましたね」
「いいえ。私も、守っていただいてありがとうございます。……おふたりは、仲がよろしいんですね」

 顔は見えないながらも、微笑ましそうに言うマリアさん。

「仲は……悪くは、無いですね」
「ふふ。そうですか」

 絶対そういう意味で言ってるんじゃないよなあ、これ。

 マリアさんとヘンリーとの間にフラグが立ってない以上、変に焦って誤解を解こうとするのも不自然だよね。
 とりあえず、話変えてみるか。

「……お兄さんのことは。……あれで、良かったんですか?」

 場繋ぎの話題としてはちょっと重いチョイスだけど、今聞かないと、もう聞けなそうなんで。

「……はい。私ひとりだけ逃げ出すことには、思うところがありますが。兄は中から、私は外から。これ以上教団の被害を増やさないために、できることをしていこうと。そう、話し合いました」
「そうでしたか……」

 それなら、王兄妃の立場が手に入ればね。
 もっと、できることは増えただろうにね。
 仕方ないか、こればっかりは。

「……でも、残念です。逃げたのが私でなく、兄だったら。ドーラさんを、お義姉様と呼べたかもしれませんのに」

 そこは私も残念ですが、そんな話をされると後ろの保護者が怖いので、この閉所ではやめていただきたい。
 セクハラするヤツを、保護者と呼べるかはわからんけど。

「ふふ。冗談ですよ、ヘンリーさん?」

 空気を読んだ上での、その冗談ですか!
 マリアさん、なかなかの強者(つわもの)ですね!


 と、重い話はそこで終えて、あとは適当に、軽い感じで話をして場を繋ぎます。
 暗くて全く見えないが、ヨシュアさんが入れておいてくれた水や食糧を手探りで見付けて、少しずつ摂り。

 いい加減話すことも無くなって、沈黙が続くことも多くなって。

 セクハラ反対とは言え全くくっつかないでいるのも不可能なので、裏切り即制裁という覚
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