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我が剣は愛する者の為に
欲するは力
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時間もちょうどお昼頃。
俺達は家に戻り、母さんのご飯を食べようと思った時だった。

「関流さん!!」

その時、一人の男性の人が俺達に走って近づいてきた。
その表情はただならぬ感じがした。
それを感じ取った母さんの表情も引き締まる。

「何かあったのですか?」

「大人数の賊がこの村に!!」

「「ッ!?」」

俺と母さんは息を呑む。
愛紗はいまいち状況が掴めないのか、首を傾げている。
母さんは急いで家に戻り、青竜偃月刀を手に取る。

「急いで、他の村人を安全な所へ。
 戦える人達は子供達の護衛を。」

「わ、分かりました。」

「母さん。」

「縁は父さんと愛紗を連れて避難しなさい。」

「俺も・・・・」

一緒に戦うと言おうとしたが、母さんは俺の言う事に気がついたのか先に言われてしまう。

「駄目。
 今の縁じゃ賊一人を倒すのだって厳しい。
 それに私との修行で身体がボロボロでしょう。」

確かに全身がボロボロだ。
俺は何も言い返す事ができず、ただ拳を強く握る。

「大丈夫よ。」

母さんはそんな俺に頭を撫でながら言う。

「母さんの強さは縁が一番知っているでしょう。
 父さんと愛紗のこと頼むわね。」

そう言って母さんは向かってくるであろう賊達の所に向かう。
俺は木刀を強く握り締めて、愛紗に言う。

「愛紗、父さんはどこ?」

「父様なら・・・・」

「縁、愛紗。」

後ろから父さんの声が聞こえ、俺達は振りかえる。
そこには父さんが勉強を教えている子供達と一緒だった。

「良かった、賊が来ていると聞いてな。
 母さんは?」

「賊を倒しに向かった。」

「そうか、なら私達は此処を離れるぞ。
 此処にいては邪魔になるかもしれないからな。」

父さんの言葉を聞いて俺は頷く。
愛紗の手を掴み、俺はこの場を離れるのだった。




〜interview in〜

唯は自分の愛刀を握りながら、村の入り口辺りで威風堂々と構えていた。
少ししてから、およそ数十人の賊がやってくるのが見えた。
賊達は唯の姿を捉えると足を止める。

「此処に何しに来た。」

唯は殺気の籠った声で賊に言い放つ。

「何をしにって決まっているだろう。
 この村を襲って金になりそうなものを奪うんだよ。」

「聞くだけ無駄だったな。」

「俺達の中じゃあ、あんたは有名人なんだぜ?」

賊達はニヤニヤ、と笑みを浮かべて言う。
おそらく、この人数差だ。
絶対に勝てる、としか思っていないのだろう。

「あんたのおかげでここら辺で追い剥ぎがしにくくなったてな。
 だから、あんたは真っ先に殺す。
 そうすれば、村
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