第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第66話:船上の狼
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(船上)
シンSIDE
初めてウルフさんと出会った時、とても頼りになる素敵なお兄さんだと感じてました。
暫くして厳しい中にも優しさを備えた、深慮遠謀な人柄だと実感しました。
そして、人を騙そうとする輩には遠慮しない怖い一面もあるのだと知りました。
俺にとってウルフさんへの評価は天井知らずで、例えうっかりリューノちゃんに手を出しても、協力して秘匿しようと思ってました……
でも今はどうだ!?
二股が周囲に知れ渡ってしまった為、イチャ付く事を憚らなくなった。
しかも彼女が二人いるから、鬱陶しさも2倍な気がする。
あの格好いいウルフさんは何処に行ってしまったのだろうか? 彼女二人と共に船室へ下りて行く彼を見て溜息を吐く。
このパーティーは色ボケ共ばかりなのだ!
新たに加わったライアンさんも、真面目そうな感じを醸し出してたクセに、先日までホイミスライムだった仲間が巨乳美女だと判った途端、気取りながらもイチャ付いてるし……
高貴な血筋のお姫様であるはずのアリーナ姫も、家臣のクリフトさんとラヴラヴ感を振りまいてるし……
リューラさんとアロー君までも最近ではそんな空気を滲ませている。
あえてリュカさん達の事には触れないが、全体的にエロエロな雰囲気がだだ漏れ状態なのが俺の取り纏める集団なんです。
なのに一番頼りにしてたウルフさんが、リュカさん等と同レベルでアレな状態になるなんて……何度溜息を吐いても、俺の気分は晴れやかにならない。
「シン……先程から溜息が途切れんが、この状況に脱力しておるのかのぅ?」
比較的常識派のブライさんが俺の事を心配して話しかけてくれる。
しかし気を抜く訳にはいかない……何故ならこの老人は、酒を飲み交わしただけで、リュカさんに洗脳された人だ。もうあっち側の人間だろう。
「いえ……別にそういう訳ではないのです。ただ、ちょっと皆さんが羨ましいなと思って……」
俺はシンシア一筋だから、別に他の女とイチャ付きたいとは思ってない。
まぁ……多少は羨ましく思う事もあるけど。
「連中……今がどういう状況なのか解ってないのかもしれんな。何時何時敵の襲撃を受けるか分からんと言うのに……」
それもあるが、俺がこの面子を取り纏めるのに苦労しそうで悩んでるんだが……
ウルフさんがしっかりしてれば、多少は負担も軽減されたのだけど……
「まぁまぁ、仲良き事は美しき事じゃないですか。恋人と共に居る事で、団結力が向上し旅を優位に行えるのなら、素晴らしいと私は思いますよ」
突如口を出してきたのはトルネコさんだ。
彼はこのパーティーの真の実力者達に、媚を売りたいからそんな事を言ってるんだと思う。
勿論、真の実力者とは、リュカさんとウルフさんですが……
「ですが
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