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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第144話】
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……無理もないか、誰だってこんなのから見知った顔が出てきたらびっくりするだろう。

 いや、見知った顔というよりも多分【男】が【ISらしき物】から出てきた――。

 この事実が、未だに信じられないといったところかもしれない――。

 果たしてこのパワードスーツが【IS】か【似て非なる物】なのかがわからないが。

 地面に着地する音と共に、向こう側から母さんのふわふわとした声が聞こえてきた。


「あなた、お疲れ様ぁ〜。――うふふ、皆さんも聞きたい事が山ほどあるとは思いますが……。――先ずは中に戻りましょうかぁ〜」


 そう促す母さん――だが、やはり正面のパワードスーツが気になるのか一向に動こうともせず……。


「……あなた?」

「ん……。おぅ」


 小さく頷き、返事をすると腕の時計に触れる。

 すると――そのパワードスーツは光に包まれると粒子化し、虚空へと消えていく……。

 その光景を呆然と眺めつつも、粒子が消えると教師陣も旅館へ戻っていった…。


「有坂博士。……あのパワードスーツの説明、今出来ますか?」

「……うふふ、織斑先生はせっかちですねぇ〜」


 口元を手で覆い、笑顔で織斑先生を見ると母さんは――。


「……そうね。先にあなた達には説明しましょうかぁ」


 手を後ろに組み、すっと瞳を閉じると――。


「あのパワードスーツは【ISとは似て非なる物】。――でも、ISで培われた技術をフィードバックした【誰もが扱える】パワードスーツよ?――例えるなら、ISとは腹違いの弟って所かしら…」

「「「…………!?」」」


 さも普通の事の様に話す母さんを他所に、【誰もが扱えるパワードスーツ】と訊いた周り居た人たちは一様に信じられないといった表情を浮かべていた。

――【誰もが扱えるパワードスーツ】――

 もしかしなくても、今俺達は――歴史の目撃者かもしれない。

 それも、ISが発表された当時よりも確実に、世界に混乱をもたらすであろう【新型のパワードスーツ】。


「……有坂博士。貴女はそれをどうするおつもりです?」

「ふふっ。『どうするつもり』……というのは?」


 織斑先生の目付きが変わる。

 眼光鋭く、睨み付ける様に母さんを見ると母さんはそんなことはお構い無しに笑顔のまま――。


「……ふふっ。私はこのパワードスーツを、【世界に発表】するつもりは無いわよ?」

「……何?」

「うふふ。考えてもみなさいな……。只でさえ、ISはスポーツと言いながらもやっていることは兵器運用――【モンド・グロッソ】もスポーツ大会とは名ばかりの【国家代理戦争】……でしょ?」

「…………」



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