暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
常盤台中学襲撃事件
Trick43_“太陽の息吹”(プロミネンス) だよ
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ら30cm程が焦げたように黒ずんでいた。

「それも高温を、ね」

破壊した(?)3体の虚像は全て、高温の空気からできた固まりで作られていた。

それを攻撃した事は、高温の炎の中に武器を突っ込んだと同じ。

攻撃に夢中で気付かなかっただけであり、辺りは焼け焦げた匂いが立ちこめていた。


信乃は不敵に笑い、ゆっくりと手を伸ばしてくる。

攻撃ではない動きだが、今の話を聞けばただの手でさえ高温を纏っているかもしれない。

「くっ!」

矢率器は悔しそうに後ろへと引いた。

「どうした裏の人間? ただ手を伸ばしただけだろ? ビビってんのか?」

「槍一本を破壊したぐらいで調子に乗るな!

 忘れたか。我ら兄妹は共通の武器を使っている事を!」

いくら武器を破壊しようとも、遠くにいる妹からは投げ槍が飛んでくる。

兄は地面に刺さった槍を使えばいい。

遠くにいるのだから、槍のストックがいくつあるか分からない。
破壊し続けるには、少しばかり忍耐勝負(マラソンゲーム)が必要になる。

だが、信乃はすでに完了させていた。
槍などもう飛んでこない状況へと完了させているのだ。

「覚えているよ。それじゃ、逆に質問だ。

 さっきから妹ちゃんの援護がないみたいだけど?」

「!!?」

信乃の虚像を3体、攻撃して終わるまでの問答も含めて10秒ほど。

10秒。それは普通の時間でいえば短いと答える者もいるだろう。

だが戦いの中では別だ。戦うものであれば全員が同じ意見を言う、≪長い≫と。

その10秒の間、一度として薙矢裏(いもうと)援護攻撃(なげやり)が飛んでこなかった。

「どうしてだろうね?」

「妹に何かしたのか?」

「さすが兄弟姉妹で組んで戦うシスコンブラコンの一族、自分の事より妹の心配かよ。
 余裕だな」

「答えろ!!」

「怒んなよ、冗談に決まってんだろうが。仲間でも心配するのが当たり前なのに
 その上家族なら心配して当然だと俺は思うぜ。

 だからそんなに怒るな」

「そんなことはどうでもいい!! 妹に何かしたのか!!?」

「ああ。玉璽を開放した直後に殴り倒した」

さも、『眠たいから眠った』と同等に当たり前のように答えた。

槍と一緒に飛ばされる殺気から、敵の位置は簡単に分かっていた。

しかし、球鬘妹は2km離れたビルにいたはず。

往復で4km。高低差も建物20階に相当する。

それを、発動で景色が揺らいで、気を取られた数秒の間に往復した。

「信じられない、と言いたいところだがお前は碧空(スカイ)だからな・・・

 冗談ではなさそうだ」

矢率器は唇を噛みながら徐々に移動し、まだ残ってい
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