論理回路
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た。何せ、夢の中で無意識にこの能力を使用し、自分の父親を救ったくらいだ。俺は、最高レベルにこの能力との相性が良かったのだろう。
この能力には欠点が合った。
それは、見た未来の内容が、百%当たるわけではないということ。どうやら、不確定要素を沢山持っている人間を予測しようとすると、未来が上手く計算出来ないのだ。しかも、これは伝染病のように、その不確定要素満載の人間と接触した人間にまで拡散していく。・・・まぁ、『未来が確定している訳じゃない』ということは、行動次第ではその未来を変えることができるということだ。父の時のように。悪いことばかりではない。
しかし、もう一つが厄介だった。
見た内容が、一体いつなのかが分からなかったのだ。明日かもしれない。一週間後かもしれない。一年後かもしれない。せっかく回避したい未来を見ても、それが何時なのかが分からなければ回避しようがない。微妙に使い勝手の悪い能力だったのだ。
・・・しかし、それにも終わりが来る。
原石を勧誘しに来た、学園都市からの使者によって。
「・・・は?今何と?」
「新羅君は、天然の超能力者です。我々は彼らのことを原石と呼んでいます。・・・つまり、加工されていない能力です。思うように使いこなせていないのでは?我々の元へ来て、能力を進化させてみませんか?」
両親に丁寧に話す黒服だが・・・俺は、既に学園都市へいく事を決めていた。それは何故か?
能力を使いこなしたいからではない。
学園都市が出すという、多額の奨学金のタメでもない。
(コイツら・・・腐ってやがる!!!)
拒否すれば、家族を皆殺しにしてでも、俺を拉致していく。その未来が見えてしまったからだ。
どうやら、彼らにとって原石とはそれ程に大事なものらしい。従わないなら力づくでも連れて行く。そういう連中のようだ。
俺は、自分の両親が死ぬ未来を見てしまった。だから、これは全力で回避しなければならなかった。
そして同時に、ノコノコとコイツらに付いていけば、暗部とやらの仕事に巻き込まれて、非人道的なことばかりやらされる未来も見てしまったのだ。
・・・だが、
(俺を、そこらのボンクラと一緒にするなよ・・・!お前らがその気なら、コッチにも考えが有る!!!)
未来を知るという絶対的なアドバンテージを持つ俺が、最悪な未来に突っ走る訳が無い。俺を侮った事を、必ず後悔させてやる。
「俺、学園都市に行くよ。」
俺の一言が決め手になり、両親は俺が学園都市に行くことを承諾した。
「ねぇオジさん。」
両親と交渉をしていた黒服を呼びつけ、耳元で囁く。
「・・・父さんと母さんに何かしてみろ・・・。いや
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