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ヴァルハラ
ヘタレの勇者

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「ゼェ・・・ゼェ・・・」
どうも、皆さんこんにちは、御伽勇真(おとぎゆうま)です
俺は今、凄まじい疲労に襲われていた、だって、力を使い果たしたあとに女の子とはいえ人を1人担いで宿まで歩いたんだぞ、そりゃあ疲れるに決まってる
俺はとりあえずシロンをベットに寝かせると、床に倒れ込んだ
「ハァ・・・」
俺は溜め息を吐いた
疲れているし、体はもう全く動かせない、このまま寝てしまおうか、と思ったがとてもそんな気分じゃない
「ハァ・・・」
と、俺はもう一度溜め息を吐くと、寝転がったまま天井を見つめた
今から数十分前のこと、盗賊の拠点で、クラウンという男がスキンヘッドの男を殺した、俺は初めて人が死ぬのを、殺されるのを見た、大量の血が流れていた、あれは吐き気がした、どうしてあんなに簡単に人を殺せるんだ、俺はあんな奴らと戦わなきゃいけないのか
「冗談じゃない・・・」
それともう一つ、クラウンが言っていた、覇王の伝言、どうして覇王は俺の名前を知っていたんだ?俺はこの世界に来てから、シロン以外とまともに話したことがない、だからこの世界に知り合いはいない、なのに何で・・・
まぁ、考えてもしようがないか、そして俺の意識は徐々に薄れていった・・・



「・・・ん」
あれ?俺いつの間に寝たんだ?そうか、あのまま寝てしまったのか、背中が痛い、まぁ、床の上だし、そこで俺は、自分の腕に誰かが抱きついているのに気付いた、シロンだ
あれ?俺、コイツをベットに寝かせなかったか?なのに何でまた一緒に寝てるんだよ・・・
俺はとりあえず起き上がろうとした
 ギュッ・・・
うん、シロンが放してくれない、ていうか腕に胸が当たってるんですけど・・・
てか何でコイツって、こんなに無防備なの?男と一緒に寝てるんだよ?もうちょっと危機感持とうよ、もしかして俺のこと男と思ってない?失礼な、俺は男だよ!
ちなみにコイツと一緒に寝るのは二度目だが、体のどこかを触ってやろうか、と思ったことは何度かある、だが触ったりはしてない、何故なら、俺にはそんな度胸は無いからだ!
別に俺、ヘタレじゃないよ?いや、本当だって、ただちょっと度胸がないだけだよ?
「・・・ぅん」
あっ、シロンが起きた
シロンは寝ぼけ眼をこすりながら言った
「マスター、おはようございます・・・」
そして小さなあくびをした
「おはよう」
と、俺は言った
別に、ちょっとぐらい触っとけば良かった、なんて思ってないから
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