少年は剣の世界で城を上るようです 第一層
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ぉ!?なぁ、妹さん可愛いのか?」
「…………………………にしても変だな。ログアウト不可なんて、ゲームどころかVRMMOってジャンルが
この先規制されかねない事だぞ?」
巫山戯た事を言うクラインを無視し、あれこれ考えていると突如リンゴーンリンゴーンとシステム音が鳴った。
鳴り終わると同時に俺達の体を青い柱が包み、今までいた草原が薄れて行く。
この現象はベータの時経験した、場所移動アイテムを使った時のそれだが、俺は勿論クラインも使っていない。
GM側で強制移動させたにしても、何のアナウンスも無しに・・・?それだけ切羽詰っているのだろうか。
シュワンッ
「うぉっ!あれ、ここは……。」
「『はじまりの街』………他のプレイヤー達も同じ事になってるらしいな。」
柱が一際強く光り視界が開けると、そこは嫌と言うほど見た『はじまりの街』、その広場だった。
辺りを見回すと既に多くの他プレイヤー達も続々と集まり、その表情は安堵だったり、不満だったり様々だ。
少しして転移柱が見えなくなるが、それから暫くしても何のアクションも無いせいで、集められたプレイヤー
達から不満の声が上がり始める。
「あっ、上を見ろ!」
「おぉ?」
「『Warning』、『System Announcement』……ああ、漸く運営からアナウンスが来るのか。」
誰かの声に釣られ上を見ると、赤い文字でアナウンスのメッセージが空中へ流れた所だった。
が、安心したのも束の間。その赤い文字は血の様にドロリと垂れ落ちると、フード付きマントへと姿を変えた。
ドクン――――――
「なん、だ……あれは………?」
その姿には見覚えがあった。ベータ時、GMアナウンスが流れる時に運営が使っていた物だ。
しかし、当時は男なら白鬚の老人、女なら眼鏡の女の子だったが・・・今は、何もない。
白いフードと赤いローブ、そして手袋。フードから覗く顔も、裾から見える筈の腕も何もない。
緊急でローブだけでも用意したのか?しかしこの不気味な様相では、不安を煽るだけだ。
【プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ。】
何も無い空間から、ノイズが入ったような気味の悪い声が生まれる。
『私の世界』?確かにこの世界を自由にできるGMならばそれは当然の事だが、今更それを言ってどうする。
そこまで考えつつ、俺の嫌な予感と不安は、徐々に徐々に増していく。
【私の名前は茅場晶彦。今、この世界をコントロール出来る唯一の人間だ。】
「茅場……晶彦!?」
俺はその名に、驚愕のあまり喉を詰まらせた。数年前まで弱小ゲーム会社だったアーガスを最大手とまで
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