少年は剣の世界で城を上るようです 第一層
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ボタンがねぇよ。」
「そんな訳無いって。よく見てみろよ。」
クラインにそう言い、再度今までの戦闘で得たアイテムを見ようとメニューに目を落とす。
少々ウィンドウを見直していたクラインだったが、今度は少々声を上ずらせた。
「や、やっぱどこにもねぇって、おめぇも見てみろよキリト。」
「だから、んな訳ないって。ログアウトボタンがないなんて―――」
仕方なくアイテム一覧を閉じ、メニューをホームへ戻す。
クラインと同じく一番下まで指と目線を動かし、そこにあるログアウトボタンを当たり前の様に押そうと―――
「………ないな。」
「だろぉ?ま、今日は正式サービス初日だからな。こんなバグもあんだろうよ。
今頃GMコール殺到してて、運営涙目だろうぜ。」
「余裕かましてていいのかよ?五時半にピザ頼んでたんだろ?」
「ぬぉっ、そうだった!?俺様のアンチョビピッツァとジンジャエールがぁーー!!
他のログアウト方法ってなんだ?」
アホな事を言っているクラインを少々不憫に思い、他のログアウト方法を思い出し・・・
そして、冷や汗が背中を伝った。
「ないよ。ログアウトボタンを押す以外に、ログアウト方法は無い」
「ん、な………訳無いだろうが!ベータん時に実装されてなくても、何か方法があんだろ!?
脱出!帰還!ログアウト!戻れ!カエルが泣いたら帰る!!」
切羽詰っているくせにアホな事言う余裕はあるのか・・・と一瞬でも考えられた俺も、余裕があるな―――
と思い、直ぐに思考を切り替える。尚も様々帰れそうな言葉をピョンピョン飛びながら叫んでいるクラインに、
無慈悲ながらも事実を告げる。
「無駄だよ、クライン。マニュアルにもその手の緊急切断コマンドは乗っていなかった。」
「おいおい冗談キツイぜ、馬鹿げてるだろ!?いくらバグつっても、ゲームだぜ!?
プレイヤーの意思に背いて止めれないなんておかしいだろうが!!」
クラインが
俺に叫ぶが、俺だってそれは全く同感だ。馬鹿げてる、ナンセンスだ。だが、これが事実だ。
同時に、現実世界の俺達が被っている"ナーヴギア"を外せば・・・と言う意見も封殺した。
延髄で脳からの信号をインタラプトしているお陰で、ここで動き回っても現実で壁にぶつからないのだ。
「結局んトコ、バグが直るか、向こうでギアを引っぺがして貰うのを待つしかねぇって事か……。
おりゃ一人暮らしだから後者は望めねぇけど……キリトはどうだよ?」
「お、俺は…………母と妹と三人暮らしだよ。」
「い、妹
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