発覚
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嘲笑うかのように響が告げるとシャルロットの父親は眉間にしわを寄せ、怒りをあらわにする。それを見ていた響はさらに言葉を連ねていく。
「もしかして怒っちまった感じですか〜? テメェでまいた種なのに私に対して怒るなんてお門違いもいいところだな」
『貴様っ!』
先ほどよりもさらに煽るような声で聞いたせいで、彼の精神を逆なでしてしまったらしい。
『シャルロット! 貴様はすぐさまこちらに戻って来い! さもなければ本国からの手が……』
「それはできねーよ、IS学園はどの国にも属さないからな。故にいくらテメェが吼えようが、フランスが何か言ってこようがコイツを戻すことなんてできねぇんだよ。そこんところわかってますかぁ?」
言葉をさえぎり、さらに自らの頭を指で数回たたき挑発する。それに対しシャルロットの父親の顔は見る見るうちに怒りで顔が赤くなってきている。
『貴様いい加減にしておけよ。貴様ごときがこの私に楯突いて無事でいられると思うなよ……!!』
地を這うような怒りの声をあげる父親の声に、響はまったく動じることはなく、にやりと口角を上げ告げた。
「無事でいられる? ハッ! やれるもんならやってみろよ、テメェ一人じゃ自分のケツも拭けねぇ甘ちゃんがよぉ!」
声を荒げてはいるものの、響は笑みを浮かべている。だがその笑みはとても邪悪なものだった。
「私を殺したいならそうしてみな、特殊部隊でも何でもよこしやがれ。だけどそん時は……潰してやるよ」
『っ!?』
響が告げると同時に、彼の体がこわばった。顔も先ほどとは打って変り蒼白になり、まるで蛇に睨まれた蛙のようにすくみあがってしまっている。
「まぁ私からはそれぐらいだ。……ああ、あと一つ言い忘れた。テメェにシャルロットをどうこうする権利なんざ毛ほどもありゃあしねーんだよ。このヘタレヤローが」
最後にそれだけ告げると、響はこちらからモニタの電源を落とした。
全てを聞いていたシャルロットは呆然、楯無のほうは腹を抱えて笑っている。
「こんだけ言っときゃなにもしてこねーだろ。つーかいつまで笑ってるつもりだ楯無」
「あーごめんごめん。響ちゃん容赦ないなーって思ってさ」
笑い終わり息を整えながら楯無は答える。実際かなり面白かったのか目に涙まで溜まっている。
「うっせボケ、アレぐらい言っとかねぇとあの手の馬鹿は付け上がるんだよ」
言いながら響は椅子に腰を下ろし脱力する。
するとシャルロットが響を心配するように声をかける。
「でも大丈夫かな……あの人もしかしたら本当に何かしてくるかもしれないし……鳴雨さんにこれ以上迷惑をかけられないよ」
「馬鹿かお前、もし迷惑なら最初から何もいわねーよ
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