発覚
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
んじゃねーのか?」
「そうだね普通であればすぐにでもフランスへ送還。だけど、IS学園には特記事項というものがあってね。その中にこういうものがあってね『本学園の生徒は在学中においてあらゆる国家・組織・団体に所属しない。また、本人の同意がなければ、それらの外的介入は原則として許可されないものとする』っていうものがあるのよ」
怪しげな笑みを浮かべながら楯無は響に告げた。
「つーことはデュノアがここに居たいと言えば、フランスだろうが会社だろうが手出しができなくなるわけか」
「そういうこと……さてデュノアさん? 貴女はここにいたいかしら?」
楯無は手のひらをシャルロットに向け意見を聞く。対しシャルロットのほうはトントン拍子に話が進んでしまい、未だに状況が全て飲み込めていない様子だが少し考えた後、頷いた。
「僕は……ここにいたいです」
弱い声であったが、確かな決意もその中に見られた。それを聞いた響は立ち上がり、シャルロットに言い放った。
「デュノア、今からお前の親父のところに連絡をつけろ」
「え?」
「早く!」
荒げられた声にシャルロットは飛び上がったが、すぐに準備を始めた。それを見ていた楯無はクスクスと笑いを漏らしていた。
「最初はお前が話せ、声が私達に伝わるように音量は最大でな」
「う、うん」
頷くとシャルロットは空間モニタを展開し、父親に連絡を取る。数回のコール音の後、モニタの中に金髪の男性が表示された。
『なんだ? なにか進展があったか?』
「い、いえ。そうではなくて……えっと……」
たどたどしく答えるシャルロットに苛立ちを覚えたのか、彼女の父親は語気を荒げ始めた。
『進展もなしに私に連絡をとったのか? まったく……貴様も使えんヤツだ』
大きな溜息と共にシャルロットを罵倒する父親。しかも彼の瞳はシャルロットを見てすらいない、自分の机の上においてある書類を見ながら話しているのだ。
シャルロットも言い返せずに、言葉に詰まってしまっている。やがて彼女の父親もモニタを切ろうとするがそれを響が止めた。
「ちょっと待てよ、何勝手に切ろうとしてるんだ?」
『な、何だ貴様は!? ……まさかシャルロット! 貴様ばれたのか!?』
突然の響の声に驚愕の声を上げると共に、シャルロットに対して怒鳴り始めた。だが響がそれを許さない。
「おいおい、今は私と話そうじゃないか?」
『貴様と話すことなど何も無い、引っ込んでいろ! これは私達の問題だ!!』
「私達? それはもしかしてシャルロットとアンタの問題ってことか? それなら随分と自分勝手だな、さっきまでそんな素振りも見せなかったってのに急に父親面か。むしが良すぎだろうよ」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ