発覚
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男の二人目が自分の会社にいるとすれば世界の注目を集められるってわけか」
「そしてあわよくば織斑君のISのデータを盗み出す、とかね」
腕を組みながら楯無は背もたれに寄りかかった。響の方も紙をぺらぺらとめくりながら溜息を漏らした。だがその瞳には明らかな怒りがこめられていた。
「仕方ない……あの子を呼んで確かめましょうか」
もたれかかっていた楯無はすぐに校内放送を使い、シャルルを生徒会室に呼び出す準備を始めた。
楯無がシャルルを呼び出してから数分後、シャルルが緊張した面持ちで生徒会室にやってきた。
「あの、シャルル・デュノアです。それでご用件というのは?」
「まぁまぁ、そう固くならないで。その辺の椅子にでも座って話しましょう」
楯無が微笑みながら言うと、おずおずとした様子で椅子に腰掛けた。だが彼の視線は楯無ではなく、響の方にそそがれていた。おそらく先日のことを気にかけているのだろう。
「この前はぶつかってゴメンね、えっと鳴雨さん」
「……いや、こっちがぶつかっただけだから気にしなさんな」
告げた響は目を閉じた。すると楯無が軽く咳払いをして切り出した。
「さて……、単刀直入に聞くわね? デュノア君、あなたは何者なのかしら?」
それを聞いたシャルルの顔は蒼白に染まる、だがすぐに冷静な声音で楯無に切り替えした。
「僕はれっきとした男ですよ、入学書類にも普通に……」
そこまで言いかけたところで楯無がシャルルの言葉をさえぎり言い放った。
「誰もあなたが男か女かなんて聞いてないわよ? 私はただ何者なの?って聞いただけ」
「えっ?」
一瞬何を言われたかわからないといった風な声を上げたシャルルだが、すぐに気付き口元を押さえた。
その様子を見た楯無は深く頷くと先ほどまでの冷淡な口調から少し声を和らげ、シャルルに聞いた。
「大丈夫よ、貴女が女の子だからって私達は何もしないから。だから本当のことを話してくれるかしら?」
楯無の問いかけにシャルルは観念したのかポツリポツリと事情を説明していった。
やはりその中には楯無と響が予想したとおりのことが入っていた。また、彼女は自らの本名がシャルロット・デュノアだということも話した。
全てを説明し終わったシャルロットは、まるで憑き物が取れたかのように清々しい顔立ちを見せる。すると彼女は響に問いかけた。
「やっぱり僕のことを気付いたのは鳴雨さん?」
「……そうだ」
目を閉じたまま答える響を確認したシャルロットは苦笑いをもらしている。その様子を薄目で確認した響は溜息混じりに楯無に問うた。
「でもどうすんだ楯無、このままほっとけばコイツはフランスに送還される
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