発覚
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だがその口元は不適に歪んでいた。まるで何か面白いものでも見つけたかのように。
一方ラウラのほうも少し響を睨みつけていたがやがて頷いた。
「鳴雨響だな……いいだろう、覚えておいてやる」
了承してはいるものの、その声にはまだ疑念が見え隠れしている。すると響はまたも飄々とした様子でラウラに声をかけた。
「いい加減ナイフをしまってくれないか? 刃物を突きつけられちゃビビッて話もできやしねぇ」
そんなことを微塵も思っていないのにわざとらしく響は提案するものの、
「残念ながらそれは無理な提案だ。私に対しあんな殺気を放った者の言うことを信用できるか」
「でも名前は覚えるんだな」
「名前など瑣末なことだからな。だがナイフを下ろせというのは認めることができん、ナイフを下ろした瞬間貴様が攻撃してくる可能性も否めないからな」
未だナイフを突きつけた状態でラウラは言い放つ。だが響はそれを見透かしていたかのように笑いを漏らした。
「まぁそりゃあそうだわな。……じゃあ話はいいわ、このまま帰る。またなボーデヴィッヒ」
そのまま振り向くことはせず、響は手をひらひらと振りながらその場から去っていった。ラウラは響が去っていく姿を見つめていただけだった。
「一体……何者なのだヤツは」
彼女の疑問に答えるものはいなかった。
そして明くる日の放課後、生徒会室に響と楯無がいた。すでに活動は終了しており、残っているのは二人だけだ。
二人の手元には数枚の紙があり、そこにはシャルルとラウラ二人の情報がびっしりと書き込まれていた。ただし枚数的に多いのはシャルルのほうだ。
「昨日響ちゃんに言われたとおり調べてみたけど……ボーデヴィッヒさんは別としてデュノア君には随分と怪しい点が出てきたよ」
「んで、その怪しいところってのは?」
「うん、まず彼の実家はデュノア社っていうISシェアの世界第三位の有名会社なのよ」
「へー……そいつぁすげーな」
響が関心の声を漏らす、だが楯無は「だけど」と言葉を続けた。
「現在のデュノア社は経営危機に陥っていてね、第三世代の開発を進めているようだけれど、元々デュノア社で有名なリヴァイヴもかなり遅く製造された機体なの。そしてなおかつ、国からの予算もお幅にカットされているし、さらにはトライアル……まぁ試験みたいなものなんだけど、それに合格しなければ援助はなし、ISの開発許可も剥奪って事みたい」
「なるほど、てことは考えられるとすれば……」
楯無に聞くように響が首を振ると彼女は頷いた。
「そう、あの子がもし本当に女の子なのだとして何故男装をしてこの学園に来たのか。響ちゃんも大体予想はつくんじゃない?」
「ISを使える
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