魔法先生ネギま!
0376話
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ね」
茶々丸の言葉に円が返す。
「はぁ、しょうがないな……歩いて行くしかないか」
溜息を吐きながら、歩を進めようとして振り上げた剣へと視線を向けて、先程と同様にふと気が付く。
「そうだよ、別にわざわざ剣で茂みを切っていく必要は無いじゃないか」
「アクセル君?」
横から聞こえてきたあやかの声を聞きながら、スライムを出現させる。
そもそもこのスライムは切れ味抜群であり、切った物は消化・吸収するという能力も持っている。なら……
「行けっ、スライムッ!」
俺の声に従い、街のある方向へと一直線にズザザザザ、とばかりに進んで行くスライム。低い茂みはそのまま吸収し、邪魔になると思われる木に関しては適当に切断して一気に吸収。それを繰り返しながらどんどん道を作っていく。
「凄い……」
あっという間。それこそほんの10秒程度で迷宮から出てここまで進んできた距離よりも長い距離の茂みや木々の伐採を完了した。
「……確かに凄いけど、出来れば最初からこれを思いついて欲しかったわ」
美砂のぼやくような声には誤魔化す事しか出来無かった。
俺に取ってスライムとは基本的に戦闘や偵察に使うという固定概念があったからな。戦場の道を切り開くという意味でならともかく、まさか実際に道を切り開く為に使うというのは全く思いつかなかった。
「ほらほら、皆さんもそう言わないの。アクセル君が気が付いてくれたからこそ、ここからは苦労しないで進めるのですから。それとも美砂さん、アクセル君がこの方法に気が付かずに延々とジャングルの中を進んで行く方が良かったとでも?」
「あー、もう。わかったわよ。確かに私が贅沢でした。アクセル君には感謝してますー」
語尾を伸ばすようなその口調に、ピキリとあやかの額に青筋が浮く。
「ちょっと、美砂さん。貴方本当に感謝してるんですか!?」
「本当ですー。ほら、こーんなに感謝してるわよ」
そう言いつつ、スライムを一端空間倉庫へと戻した俺の背後から抱きついてくる美砂。既にお馴染みになってしまった背中にあたる柔らかい感触には苦笑を浮かべるしかなかった。
「ほら、あやかも美砂も。じゃれあってないで行くわよ。私はさっさと街について汗を流したいんだから」
「円さんの言いたい事も分かりますが、シャワーやお風呂があるとは限らないのではないかと……」
円と茶々丸の話を聞きながら、一直線に街の近くまで繋がっている道を歩き進めて行くのだった。
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