第四十二話 暁と救世主
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かった。私の選んだ道で結果、オーブが滅ぼされそうになっている。何一つ変えることの出来なかった私の罪だと感じてしまう。だから、そんな私だから議長は所詮何も出来ない『姫』でしかないと、そう思っていたのだろう。
『だが、その理念すらもあくまで指針に過ぎん。本当に必要なものは国を思う人の心によって変わる。お前が私と違う道を選んだとしても私はお前を恨むことはない。だから、カガリ、お前は――――――』
最後に言ったその一言は未だに思い出せない。幼き日に一度だけ言われた言葉だから仕方がないのかもしれないが、それ以外は覚えていたのだから、よっぽどその言葉だけは意識を向けていなかったのかもしれない。
「オーブが再び討たれようとしている今、私は如何するべきなのですか、お父様?」
分からない、自分のしてきたことで国が亡ぶかもしれない。なら、すぐにでも出るべきだ。でも、私は―――
『本当に守りたいと思うなら、もっと考えてから行動しろ。俺は、今だって考えて、それでザフトにいるんだから。カガリ、君はオーブの首相だ。だからこそ、オーブを撃たれるのは嫌だっていうことはわかる。でも、だったら本当にするべきことは何なのか、考えてほしいんだ――――――』
アスランの言葉が胸に突き刺さる。彼はこうなることが分かっていたのだろうか?私が本当にすべきことは何なんだ?このまま出撃する事か、それともこのまま国が滅ぼされるのを見ているだけなのか?
「もう、いつまで不貞腐れてるのよ、あなたは?」
そう言って目の前にやってきたのはエリカとキサカの二人だった。
「でも、私のせいで……私が、こんなことをしたばかりにッ……」
涙を零しながらそう言う。そうだ、全部私の責任なのだ。こんなことになってしまったのは、私が勝手なことをしたから、国に戻ろうとしなかったからだ。そんな風なことを言って泣きじゃくってるとエリカが私の頬を叩いてきた。
「うじうじと言って引きこもるのは誰にだって出来る事よ?でも、貴女は何をするべきなの?どうしたいの?国を守るんでしょう!それが、あなたのカガリ・ユラ・アスハの決めた道なんでしょう!」
そう言われて衝撃を受ける。国を守る―――それが私の意志。オーブを離れた時、お父様との最後の別れをした時に私が決めたのではなかったのか?なら、今自分がすべきことは何だ?国を守る事だろう!
「うん、良い顔つきになった。それじゃあなたのお父様、ウズミ様の言葉を聞いておかないとね」
「―――お父様の?」
そうして連れてこられたのは格納庫の一つだった。その正面には碑があり、こう書かれている。
「この扉開かれる日の来ぬことを切に願う……?」
そうして、開かれる扉。その先にあったのは―――
「黄金の……MS!?」
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