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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十七話 安らかな夢
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ンスタッド。
 俺が住まう城の主にして、俺の吸血鬼の親。

 いや、何かおかしい。
 世界を超える?
 そんなことあるはずがない。
 まだ魔法に到達してないはずなのになんでそんな事を考えた?

「ふむ? 真に大丈夫なのか?」
「ああ、大丈夫だ。
 いつの間にか月に魅せられたらしい」
「その割に私を見ても、呆けていたようだが」
「あ〜、アルトの髪と瞳に魅せられていたみたいだ」
「戯けたこと」

 俺に背を向けて歩きだす。
 だけど背を向ける瞬間、顔を赤く染めるのはしっかりと気がついていた。

「そろそろ時間だ。お茶の準備を頼むぞ」
「ああ、すぐに行く」
「毎度騒がしいあやつらも来ておるからの」

 アルトを見送り、俺も庭園を後にする。

 紅茶とスコーンを用意して、リビングにいくといつもの面子が揃っていた。

「シロウ!」
「おっと、危ないぞ」

 抱きついてきたイリヤを抱きとめながら頭を撫でる。

「イリヤ、はしたないわよ」
「ふーん、本当は羨ましいじゃないの、リン」
「そんなわけあるか!」

 にやりと笑みを浮かべるイリヤと顔を赤くして吠える遠坂。
 そのやり取りを見て苦笑している桜。
 またか、とあきれ顔のセイバーにライダー。
 そして、遠坂が吠えている姿に笑みを深くするルヴィア。

 俺はそんな二人のやり取りを見ながら紅茶とスコーンを並べていく。

「ほら、イリヤも座ってくれ」
「はーい」

 俺の言葉にイリヤも座り、俺もいつもの面子なのでアイコンタクトでアルトに許可を得て、ソファに座る。

 そういえば

「リィゾとフィナは?」
「所用で使いに出している。
 シロウ、本当に大丈夫か?
 昨夜、伝えた事をまた聞くなどお前らしくもない」

 ああ、そうだ。
 魔術協会とのやり取りで彷徨海に出ているんだった。

「そうだったな。すまない」
「シェロがそのような事を忘れるなど珍しいですわね」
「大丈夫ですか、先輩」

 心配してくれるルヴィアと桜、それに

「大丈夫だよ、ルヴィア、桜
 ありがとう、プライミッツ」

 体を摺り寄せてきたプライミッツを撫ぜる。

「それにしても妙なものよな」

 穏やかなこの光景を面白そうにアルトが笑う。

「長く生きてきたがこの様に騒がしく、毎日のように誰かが訪ねてくるなど」
「まあ、我々は士郎に会うためのおまけのようなものですが」

 確かにライダーの言うとおり最初はここで暮らす事を反対した遠坂達が乗り込んでくるというものだった。
 だが、いつの間にか日常のお茶会というか衛宮邸の時の様に全員が集まる場所になっている。

「わかっておる。だがシロウに会うため、乗り込んでく
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