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箱庭に流れる旋律
歌い手、幻獣に出会う
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ーム“威光”
 パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム“生命の目録”“ノーフォーマー”
 アップルグリーンのカードに天歌奏・ギフトネーム“奇跡の歌い手”“共鳴”“音響操作(ソニック)”“空間倉庫”

 何だろう、これ?手に持ったら急に僕の名前とギフトネームとやらが現れた。
 こんな名前なんだ・・・ってか、四つも持ってるんだ、僕は・・・

「ギフトカード!」

 そう思いながら手元のカードを眺めていると、黒ウサギさんが驚いたような興奮したような声でそういう。
 この感じだと、結構貴重なものなのかな?

「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」

 そして、こんな状況でも問題児達は通常運転だった。

「ち、違います!このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードなんですよ!」
「素敵アイテムってことか?」

あーもう向こうは放って置こう。
それよりもこのギフトとやらだ。

 多分、僕が箱庭に来たときに着替えるために使ったりしてたのは空間倉庫とやらだろう。物を入れれるところとか、倉庫っぽいし。

 次に、伴奏と歌を同時に行えるのは奇跡の歌い手かな?まさかもといた世界で呼ばれてた呼び名がそのままギフトネームだったとは。

 残りの二つについては心当たりがないけど・・・いずれ分かるだろう。

「ところで、奏さんはどのようなギフトを?」
「ん?情けないことに、戦闘に使えそうではないよ」

 まあ、実際にはどうにかなりそうなものはあるんだけどね。
 必要になるまでは使いたくない。一度無意識にやって大変なことになったし・・・

「確かに、これはよく分かりませんね・・・一つを除いて音楽に関わるものみたいですし」
「ほう、どのようなものだ?」

 白夜叉さんがそう聞いてくるので、僕は白夜叉さんにギフトカードを渡す。

 見たら笑い出すかと思いきや、やけに真剣な表情で見ていた。そこまでのものあったかな?

「おんし、この二つのギフトについてどこまで知っておる?」

 白夜叉さんはそう言いながら、“奇跡の歌い手”と“共鳴”を指差す。
 ここまで真剣だと・・・隠し事はしないほうがいいかな?

「・・・共鳴については知らないけど、もう片方についてはいくつか。でも、できればあんまりたくさんの人には話したくない」
「そうか・・・では、おんしは少し残ってくれ。黒ウサギ、構わんな?」
「はい、構いませんが・・・何か重要なことが?」
「念のため、だよ。少し気になることがあっての」
「分かりました。では、私たちはコミュニティに戻りますね」

 そういって、黒ウサギさんたちはコミュニティに帰っていった。

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