TURN85 日本の奮起その一
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TURN85 日本の奮起
山下を主催とする茶会はつつがなく行われていた、その中において。
フランスは白と桃の絹の振袖を着ている山下を見てこう言った。
「いや、普段の軍服姿もいいけれどな」
「今もですね」
「着物似合う人だよな」
こう隣に座っているシャルロットに話すのである。
「本当にな」
「そうですね、凛とした美貌ですね」
「それだよ、まさに」
「強さの、芯のある」
シャルロットは山下の美貌について的確に話していく。
「そうしたものですね」
「それがいいんだよ、それでな」
「それでとは」
「いや、あの人な」
フランスは言うことを少し変えてきた。
「剣道と居合の達人だよな」
「柔術と合気道もです」
「それも免許皆伝だよな」
「それに今されているお茶も」
茶道である。見れば茶を淹れるその手の動きは実に理に適い無駄がない。
それと共に整っている、その手の動きも見て言うシャルロットだった。
「免許皆伝です」
「華道に舞に書道もらしいな」
「日本絵もです」
「芸術家でもあるんだな」
「日本帝国ではそちらでも有名とか」
「ううん、凄い人だな」
「そちらでも一流だとか」
それも上に超という言葉がつきかねない、だ。
「そうした方です」
「そうした人になったのはどうしてなんだ?」
フランスは山下の文武二道、あらゆるもので免許皆伝という凄まじさについてシャルロットに対して尋ねた。
「確か家は代々軍人だったよな」
「はい、陸軍のです」
今度はフランス妹が答える。
「祖父の方も陸軍長官で元帥だったとのことです」
「お孫さんとでまたか」
「お父上も元帥ではなかったですが」
それでもだというのだ。
「やはり陸軍の将官として名を馳せた方だったとのことです」
「本当に代々軍人なんだな」
「歴代に渡って」
そうだというのだ。
「長官も他にも多く出されています」
「冗談抜きに名門だな」
「日本帝国全体でも屈指の」
そこまでの名門だというのだ。
「その跡取り娘とのことです」
「凄いな、じゃあその躾もか」
「相当厳しいらしく」
「で、文武の習いごとも受けてなんだな」
「全て免許皆伝とのことです」
「成程な、凄い人なんだな」
少なくとも文武両道においてはだった。
そしてそのうえでこう言ったのである。
「陸軍長官は伊達じゃないか」
「軍人としてもですね」
「申し分ないだろ」
第三者的立場であるフランスから見てもだった。
「正直なところ」
「生真面目で律儀で、ですね」
「質実剛健で勇敢でな」
しかも指揮も的確だ、軍人としてこれ以上はないまでの人物であることは確かだ、だがそれでもなのだ。
「しかし陸
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