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銀色の魔法少女
第四十一話 命
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かに勝てる人物なんてすずかのお姉さんしか私も知らないし。

「で、私はなんでここにいるかさっぱりなんだけど!」

 そして、未だに状況を飲み込めず混乱するアリサ。

 一応、それが普通の反応だと思う。

「ていうかさ遼、あんたなんか目の色とか髪の色とか変わってない?」

 それを聞いた皆が、一斉に硬直する。

「髪の、色?」

 私は辺りを探し、手鏡を見つけると、自分をうつす。

「ああ……」

 


             髪の色が、全て黒に染まっていた。




side ALL

 嫌がるすずかをアリサが無理やり納得させ、一度皆で話し合うことになった。

 先程はこの場にいなかったリンディやアリシア、ユーノ、おまけに刃もいる。

「現在、遼の侵食率は80%以上と推測されるわ」

 フィリーネはそう言うと空中に遼の体内写真を映し出す。

「骨、内蔵、血液、これらは全てもう別物と考えていいわ、不幸中の幸いだけ彼の一撃から心臓を守ったのもこれが原因ね」

 それに「残っているのは筋肉と皮膚だけね」と付け加える。

 確実に心臓を突き刺すつもりだったショウの刃は侵食されていた心臓に弾かれた、ということだった。

「アリシアさんの予想より侵食のスピードが早いわね……、原因は何かわかるかしら?」

 リンディがアリシアにそう尋ねるが、彼女は首を横に振るだけだった。

「そうなると、しばらく遼さんには魔法を使わない方がいいかもしれないわね……」

 そう言って考え込む皆。

 その沈黙を破ったのはほかならぬ遼だった。

「たぶん、それ無駄」

「無駄、とはどういうことかしら?」

 代表してリンディが尋ねる。

「侵食は絶対に、止まらない、多分、あと一、二週間もすれば、終わる」

 その言葉に、全員が息を呑む。

 その中で唯一、クロノが彼女を怒鳴りつける。

「君は! 今自分が何を言ったのかわかっているのか!?」

 彼女の終わりとは、そのまま死ぬことを意味していたからだ。

「暴走、そして死ぬこと、でしょ?」

 遼はまるでなんともないかのように死を受け入れる。

 その異様さをフィリーネを除く全員が恐る。

「そんなことより、まだ聞い――」

「そんなこと!? そんなことって何!?」

 遼の言葉をなのはが遮る。

「遼ちゃんはなんでそんなに平気なの! なんでもっと生きようとしないの! なんで! なんで…………」

 ここから先は、泣き崩れて言葉にならなかった。

「なのは……」

 そんな彼女をフェイトが慰める。

「遼さん、なのはさんの言うことは正しいわ、あなたは普通の女の子なの
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