暁 〜小説投稿サイト〜
皇太子殿下はご機嫌ななめ
第8話 「こどもの名前」
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
つは、ヨアヒム・フォン・フレーゲルと言いましてな。妹の子です」
「ヨアヒム・フォン・フレーゲル男爵であります。皇太子殿下、初めまして、よろしくお願いします」

 緊張しているのか、固くなっているみたいだ。

「ああ、よろしく。フレーゲル男爵。まあ、ゆっくりしていけ」

 皇太子殿下は鷹揚に笑ってみせる。
 この余裕が欲しいと思う。皇太子殿下もまだ、二十歳そこそこだというのに。
 しかし見過ごせない一幕があった。
 フレーゲル男爵にお茶を持っていく羽目になった、ラインハルト様にフレーゲル男爵が見惚れていたのだ。

「ありがとう。フロイライン」

 そう礼を言う男爵の目は、ラインハルト様に釘付けになっていた。
 最初は、皇太子殿下の侍女だと思い、興味があるのかと思ったのだが、どうも違うみたいだ。
 そしてなにかにつれ、ラインハルト様に話しかける。
 最後には、手を握る始末だ。
 困惑していたラインハルト様は、ブラウンシュヴァイク公爵様達が帰られると、皇太子殿下に向かって睨みつけた。
 いけない。爆発しそうになっている。

「お、お前のせいだぁ〜」

 とうとう爆発した。ラインハルト様が皇太子殿下に、飛び掛っていく。

「甘いわ」

 ひょいっという感じで、ラインハルト様を取り押さえ、ヒザの上に押さえ込む。

「はなせ〜」

 じたばたと暴れている。

「悪い子にはおしおきだな」

 皇太子殿下がラインハルト様のおしりを叩く。
 そりゃ〜もう、ぺしぺしと。
 身を捩り、顔を真っ赤にさせるラインハルト様。
 なんだか楽しそうな雰囲気が漂っている、不思議だ。
 ところでマルガレータさん。
 鼻息を荒くして、はぁはぁするのは止めて下さい。怖いです。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ