一章 Experimental Results
No.3 フェロモンぱぅわー。
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じさんより、かなり頼りになりそうな雰囲気を醸し出している。
何処かちぐはぐな家族に、凪は自分と似た物を感じた取り、少し表情を崩す。
「親父が悪かったな。ほら、コレが鍵と暗証番号だ。
ついでにコレが俺の連絡先だ。暇じゃねえから無駄にかけんじゃねえぞ」
忠勝は宇佐美から鍵をぶんどり、メモに暗証番号と自分のアドレスを書いた後、それを凪へと手渡す。
動作や言動は失礼極まりないが、言葉に出さずとも節々から優しさが伝わってくる。
そんな不思議な優しさを感じ、凪は苦笑しながらそれらを受け取り、慌てて表情を引き締める。
「ありがとよ」
本当にこれでいいのかな? と今頃になって言葉遣いに首をかしげる凪だが、忠勝は特にソレに対しては何も言わず、部屋番号を告げ、親を引きずって去っていった。
そんな後姿を見ながら、凪はほっと胸をなでおろし、やっぱりこれでよかったんだと間違った答えを胸に抱きながら、自分の部屋を目指す。
新しい住いであるマンションは、防犯がコレでもかという程きちんとしており、玄関で暗証番号と鍵が必要になる。
思ったよりもきちんとしたマンションだと思いながら、凪は新たな家である405号室へと歩みを進めた。
部屋の中は1LDKで、キッチン、トイレ、バス付と中々豪勢であった。
親戚価格で光熱費以外の値段がタダだというので驚きである。
実際かかるはずだった料金も驚きの易さなのだが、不思議なことに住人がほとんど居ない。
家を出る決断をし、家探しをネットでした為に、これほどの好条件の物件に人が住んでいないのが、凪は不思議でならない。
もちろん理由は親不孝通りだからなのだが、凪は親不孝どおりが不良、もしくは犯罪の苗床になりやすい場所だと知らないのだ。
治安が悪すぎる為に易すぎる物件、人生上手い話はないものである。
この事を義姉である楓は知っていたが、検体が多い現地に行く凪を羨ましく思いこそすれ、決して危険だとは思っていなかった。
それに加え、楓は一番凪の体を理解している。
故に楓は話す必要性を全く感じておらず、凪はその事実を知ることがなかったのである。
「とりあえず荷解きしよっと」
一人事実を知らぬ凪は、のんきに荷解きを鼻歌を歌いながら始めるのだった。
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