一章 Experimental Results
No.3 フェロモンぱぅわー。
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
ちゃした身である。
色々経験して色々痛い目を見るといいと、ついでにイケメンはもっと痛い目にあうといい、宇佐美は本心からそう思う。
所詮今回の仕事は、宇佐美が仕事の一環として代行で管理しているマンションに、この親戚を住まわせるという事だけなのだ。
宇佐美は結論として、これ以上この少年に関わらなければ問題ないと判断した。
そして、宇佐美は凪に手伝ってもらう代わりに、物を要求することにした。
「手伝ってくれるのは有難いけど、おじさんそれよりも欲しい物があるんだよ。
ほら、お前さん義姉に何か貰ってきたんじゃないか?」
そう言われて凪は姉から貰い受けた者を思い浮かべる。
エロ本は貰ったがその日に捨てたし、薬の投与はすでに最終段階に入っており、特にめぼしいものはもらっていなからなと、そこまで考えて凪は思い出した。
「これ親戚のおじさんに渡しておいてくれ」
そう言って凪のリュックへと強引に何かを入れたのだ。
きっとそれがそうだと思い、凪はリュックから見知らぬ薬と手紙が入った袋を取り出し、宇佐美に渡した。
「おお、これだよこれ。これさえあれば梅子先生や、キャバクラのあの子を落とせるマル秘アイテム」
「一つ言っておくがな、注意書き読まないと殺すぞ?」
テンションを上げる宇佐美に対し、凪は日頃から楓に「私が与えるなら別にいいが、薬はきちんと注意書きを読め」と言われている。
故に親切心で教えたのだが、宇佐美はそれに対し、恐らく何かあるのではと考えて手紙の中身を読み始めた。
拝啓。
エロ教師いかがお過ごしだろうか。
そろそろ女の一人でも落とせたか?
いや、私の薬を頼っている時点で終わっている。
いいか、今回凪がお世話になるから特別に痺れ薬を渡そう。
何、どうせお前の事だから女なんて落とせないだろう。
だからそのまま既成事実を作ってしまえばいい。
出来ちゃった婚ならお前にも見込みがあるはずだ。
まあ、私ならお前から渡される一切のものを口に入れないがな。
敬具 親切な親戚より。
全てを読み終えた瞬間、宇佐美はゾクリと背筋を這うような薄ら寒さを感じ、現況だと思われる自分の前方へと視線を飛ばす。
するとそこには絶対零度の視線を送ってくる凪の姿があった。
凪の視力が良すぎた為に、横を向いて読んでいた手紙の内容が丸見えだったのだ。
「おいおい、そんな目で見ないでくれよ。おじさんだって大変なの。
大体おじさんこんなもの頼んだわけじゃないんだよ」
「じゃあ何頼んだんですか?」
酷い鬼畜が目の前にいる為か、口調が素に戻ってしまっている凪。
けれどそんな素など知らない宇佐美からすれば、凪が静かなる怒りを抱いているようにしか見えない。
宇佐美
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ