暁 〜小説投稿サイト〜
城宮さんの天下取り
一章 Experimental Results
No.3 フェロモンぱぅわー。
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ちゃした身である。
 色々経験して色々痛い目を見るといいと、ついでにイケメンはもっと痛い目にあうといい、宇佐美は本心からそう思う。
 所詮今回の仕事は、宇佐美が仕事の一環として代行で管理しているマンションに、この親戚を住まわせるという事だけなのだ。
 宇佐美は結論として、これ以上この少年に関わらなければ問題ないと判断した。
 そして、宇佐美は凪に手伝ってもらう代わりに、物を要求することにした。

「手伝ってくれるのは有難いけど、おじさんそれよりも欲しい物があるんだよ。
 ほら、お前さん義姉に何か貰ってきたんじゃないか?」

 そう言われて凪は姉から貰い受けた者を思い浮かべる。
 エロ本は貰ったがその日に捨てたし、薬の投与はすでに最終段階に入っており、特にめぼしいものはもらっていなからなと、そこまで考えて凪は思い出した。

「これ親戚のおじさんに渡しておいてくれ」

 そう言って凪のリュックへと強引に何かを入れたのだ。
 きっとそれがそうだと思い、凪はリュックから見知らぬ薬と手紙が入った袋を取り出し、宇佐美に渡した。

「おお、これだよこれ。これさえあれば梅子先生や、キャバクラのあの子を落とせるマル秘アイテム」
「一つ言っておくがな、注意書き読まないと殺すぞ?」

 テンションを上げる宇佐美に対し、凪は日頃から楓に「私が与えるなら別にいいが、薬はきちんと注意書きを読め」と言われている。
 故に親切心で教えたのだが、宇佐美はそれに対し、恐らく何かあるのではと考えて手紙の中身を読み始めた。

 拝啓。
 エロ教師いかがお過ごしだろうか。
 そろそろ女の一人でも落とせたか?
 いや、私の薬を頼っている時点で終わっている。
 いいか、今回凪がお世話になるから特別に痺れ薬を渡そう。
 何、どうせお前の事だから女なんて落とせないだろう。
 だからそのまま既成事実を作ってしまえばいい。
 出来ちゃった婚ならお前にも見込みがあるはずだ。
 まあ、私ならお前から渡される一切のものを口に入れないがな。
 敬具 親切な親戚より。

 全てを読み終えた瞬間、宇佐美はゾクリと背筋を這うような薄ら寒さを感じ、現況だと思われる自分の前方へと視線を飛ばす。
 するとそこには絶対零度の視線を送ってくる凪の姿があった。
 凪の視力が良すぎた為に、横を向いて読んでいた手紙の内容が丸見えだったのだ。

「おいおい、そんな目で見ないでくれよ。おじさんだって大変なの。
 大体おじさんこんなもの頼んだわけじゃないんだよ」
「じゃあ何頼んだんですか?」

 酷い鬼畜が目の前にいる為か、口調が素に戻ってしまっている凪。
 けれどそんな素など知らない宇佐美からすれば、凪が静かなる怒りを抱いているようにしか見えない。
 宇佐美
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