第二部 文化祭
第19話 喪失
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伸ばされた。きっとこれで、ユージオもアリスのことを忘れてしまう。
──なのにユージオは、なんの抵抗もできなかった。
ユージオは学園の廊下をぼけっと歩いていた。目の前に人影があることに気づかず、衝突してしまう。
衝突したのは、同い年くらいの少年だった。少年は男子にしては長めの黒髪と、同色の瞳、中性的で線の細い顔をしていた。
ユージオは慌てて言う。
「う……ご、ごめん! 大丈夫? 僕がぼーっとしていたから……」
「いや、いいよ。俺も走ってたし」
ユージオは微笑み、先程の衝撃で転んでしまった少年に手を伸ばした。
少年はユージオの手を掴むと、勢いよく立ち上がった。
「……ありがとな」
少年は言い、ニッと笑った。
「見たことない顔だけど……名前とか聞いてもいい?」
なんとなく興味が湧いた。
「俺? 俺は……」
次の瞬間少年が名乗った名に、ユージオは何故だか懐かしさを覚えた。
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