D?but de ?trange.
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これはある時代、ある世界の話。そこには大きな2つの国と、その他の小さな国が点在している世界だった。その小さな国のうちの一つ、ビフレスト島は温暖な島だった。とても平和で、住人はほんの100人弱だった。そこは独立していて、他の国と違って外部との交流は数百年の間一切なかった。
その島でも祭りはあった。
1年間で数十という祭りがあったが、1年の間で星が一番多く見え、もっとも輝きの強くなる日に行われる「ルミエル・デ・シェール」という祭りは長い間この島で盛大に行われてきた。
そんな平和で温かみのある島で、アファナシエフ・ユーリーは暮らしていた。
彼は今年で15になろうとしていた。働き者の少年である。
彼には姉がいるが、父と母はかなり昔に死んでいる。そのためユーリーの面倒は彼の姉、アファナシエフ・ライサがみていた。
ちなみにユーリーは友人達からは「ユーラ」の愛称で親しまれている。
ある夏の日、ユーラは普段通り朝早く起き、畑へと向かった。作物に水をやり、ふと空を見る。
「今日も空は青いなぁ...」
ビフレスト島は基本的に高気圧が滞在していて、空に雲があることはほとんどなかった。
そのため、日射もよくあり、作物は育ちやすい環境にあった。
しかも独立した島なので、その地に適応した作物ばかりで、住民はあまり苦労もせず農作ができた。
「ユーラっ!何さぼってるの!」
ライサが遠くから叫ぶ。
「そ....そうじゃなくて...」
「いいから働けぇ〜っ!」
「は、はいっ!」
暖かな太陽の光の中、この島の時間はゆっくりと進んでいるようで。
そこの木々は鮮やかな緑色をしていて、海はエメラルドブルー。その景色はまるで宝石のようだった。
そんな島では農作も漁業も盛んだった。
そもそも貿易がないので、島人は当然自給自足の生活をしていた。
「ユーラ〜っ!」
少年が叫びながら走ってくる。
「あ、ヴァンだ!」
「はぁっ...はぁっ...ユーラ...あ、朝から働き者だな...」
「あはは...いつものことだから...ってそんなに急いでどうしたの?」
「ああ、俺のとこで取れた魚を分けてやろうと思ってな」
そういいながら少年はおもむろに木箱から魚を取り出した。
「うわっ、大きいっ...!」
その魚は少年の腕ほどの全長があった。
「へへっ、魚は鮮度が命だ、早いうちにライサちゃんに料理してもらいな!」
「う、うん...ありがとっ!」
「じゃあなっ!俺はこれから漁に出るからよ!」
「うん、いってらっしゃい!」
そう言うと少年は凄い勢いで走り去っていった。
「ヴァンは忙しいなぁ...」
「で、それを私に料理しろって?」
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