第13話 第二次ダレダン星域会戦
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よ」
ブリュンヒルデの艦橋でそのような会話が為されている間にも、戦況は刻一刻と変化する。
急激な変化は、マリナ艦隊のアースグリム級戦艦マツシマ、ハシダテ、イツクシマの艦首にある主砲から極太のビームが発射されたことによって起こった。
『敵の攻撃激しく戦線の維持不可能』
『アルラン隊壊滅! 我が隊も敵の攻撃を受け被害甚大、救援を請う!』
旗艦ザッフィーロの艦橋に凶報が相次いで入ってくる。
そのいずれもが、自軍の劣勢を伝えるものだ。
「ユリアヌス隊の被害甚大!」
「カルデン隊、ラミン隊も押されています!」
「敵全軍、更に前進してきます! このままでは敵の攻勢を防ぎきれません!」
「……両翼を後退させろ」
「はっ?」
「両翼を後退させろと言ったんだ」
「しかし!」
「俺に考えがある……」
・・・・・・
「ふふ、かなり手間取ったけど。これでチェックメイトかしら」
「中央がまだ持ち堪えていますが、敵の全面崩壊も時間の問題でしょう」
「そうね………」
この時、マリナは何かを感じた。
それが何なのかはマリナ自身にも分からない、得体の知れない感覚であった。
「えっ!? これは……」
気を取り直して、スクリーンに目をやったマリナは絶句する。
いつの間にか、バドエル艦隊の陣形が紡錘陣形へと変化していたのである。
バドエルは両翼をただ単に後ろに後退させるのではなく、中央寄りに斜めに後退させることでマリナに気づかれずに紡錘陣形を構築したのであった。
「よし、このまま中央突破だ! 全艦突入しろ!」
バドエル艦隊が一纏まりになって突撃してくる。
マリナ艦隊は各部隊がバラバラに追撃していた為、これを阻止するだけの重陣を形成するのは不可能だ。
「くっ、この勢いを押し止めるのは無理ね……道を空けて敵の勢いを受け流しなさい」
マリナは敢えて突破させることで被害を押さえることにした。
無理に立ちはだかったところで止められないのなら、止めないというのも一つの手である。
「まさかあの状態から中央突破へともっていくとは……」
「………三度目のぶつかり合いが引き分けに終わった以上、これ以上の継戦は無意味ね。全軍に撤退命令を出しなさい」
かくして、ダレダン星域における二度目の会戦は終了した。
マリナとしては無理に勝利に拘る意味も無く、バドエルとしても撤退する帝国軍を無理に追撃する意味は無かった。
ロアキアへの帰途の途中、ブリュンヒルデの艦橋でマリナは一言つぶやく。
「レオーネ・バドエル……あなたの名前は忘れない。次は叩き潰してあげるわ」
==後日談==
第二次ダレダン星域会戦の結果を
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