暁 〜小説投稿サイト〜
私立アインクラッド学園
第二部 文化祭
第18話 罪
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のに、カセドラルになんて」
「わたしは平気よ」
「え……?」

 アリスは俺の額を軽く弾いた。

「法は法、罪は罪だもの。例え、どんな理由があってもね。私が悪いことしたのは事実なんだし」
「……強がるなよ!」

 俺はアリスの細い肩を強く掴んだ。

「本当は不安なくせに! 怖いなら、怖いって言えよ! そうじゃなきゃ俺、俺……!」

 俺の両眼からも、様々な感情が涙に形を変えて零れ落ちるのを感じた。

「アリスの真面目なところは、昔からよく知ってる。アリスのそういうとこ、俺も好きだけど……でも」
「キリト……」

 アリスの声は震えている。

「……わたし、本当は怖い。カセドラルになんて、行きたくない」

 濡れた声で、弱々しく呟いた。

「……言えるじゃないか。なら、俺とユージオが全力で君を守るよ。……なあ、ユージオ」
「え? あ、ああ……」

 この状況でぽけーっとしていたらしいユージオが、ハッと顔を上げる。

「キリト……それって、カセドラルを敵に回すってことなんじゃ」
「アリスの為だ。そんなのどうだっていいだろ」

 俺はユージオの言葉を遮って言った。
 俺だって、なにが正しいのかなんてよくわからない。けど、アリスだけは守らなければならない。



 たとえ、世界中を敵に回したとしても──。



 
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