暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
五十三話:十年目の出会い
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かされているなんて……。全然、知りませんでした……」

 悲しみに沈むマリアさん。

 ……よし、今だ!
 行け!ヘンリー!

 と目配せしてみるも、何の反応も示さないヘンリー。

 ……おい。

「ちょっと、ヘンリー。こういうときはなんか言って励ましてあげるのが、いい男の役目ってもんでしょ!(小声)」
「なんだよ、それ。知らねえよ、そんなの」

 なんだと!?
 イケメンの風上にも置けない、なんという空気読めない発言!

「お母さんは、そんな子に育てた覚えはありませんよ!(小声)」
「誰がお母さんだよ」
「もういい!ヘンリーがやらないなら、私がやる!(小声)」

 いかに、運命の相手と言ってもね!
 マリアさんを幸せにしようという気概の無い男に、彼女を任せるわけにはいきませんよ!
 これなら生涯神に仕えるなり、別の男を探すなりしたほうが、彼女も幸せってもんですよ!

「そう、気を落とさないでください。あなたが知らずに信じて、仕えていた教団の実態は、確かに酷いものですが。知らなかったことを罪として恥じるよりも、知ってしまったこれからを、どう生きるかが大切なのではないでしょうか。あなたも、私たちも。少なくとも、生きているのですから」

 まだヘンリーとくっつけるのを諦めたわけでは無いのでね、表情的にはあくまでも真面目に、真摯な感じで。
 落とそうとかそういう色気は出してないので、特に顔を赤らめることも無く、はっとした様子で、マリアさんが顔を上げます。

「……そうですね。ひとりで自分を責めて、自己嫌悪に陥っても、結局はひとりよがりなだけでした。ここでなにができるかはわかりませんが、まずは奴隷のみなさんの苦しみを、身をもって知らなければ。ドーラさんでしたか、ありがとうございます」

 実は言うほど苦しい感じでも、無いんですけどね!
 まあ不自由ではあるからね、それなりに苦しんでると、言えなくも無いけれども。

 しかし、現状のこの環境で、マリアさんがムチ打たれて云々という展開はあるんだろうか。
 演技でそんなことさせるのも、気が引けるしなあ。
 さすがに、打つフリだけで誤魔化せるものでは無いだろうし。

 普通にマリアさんと親睦を深めて、マリアさんのお兄さんのヨシュアさんに存在をアピールして、ムチ打たれるまでも無く脱出の同行者に選んでもらうような展開が、望ましいけれども。
 そんな上手くいくかわからないけど、とりあえずそういう方向を狙って、接していきますかね!


 という感じで、作業に入ったわけですが。
 親睦を深めようとは言っても、体力の無いド新人の女性と、積極的に鍛えてきたおかげで(プラス私は経験値ブーストで)ベテラン奴隷の中でも突出して体力がある私たちが、同じ作業を
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