星屑の覚醒
7 悪意の起動
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どうしようもない連中が街を支配する。
しかしその連中1人一人では何も出来ない。
「なぁ?こいつにやらせようぜ?」
「おっ!!いいじゃん!!」
「じゃあ次はこいつな!!」
群れなければ何も出来ない。
1人の状態では強がるだけが取り柄のクズも同然だった。
だが近年、そのクズが増えすぎたために、街はもはや司法が役に立たないまでに腐敗の一途を辿った。
デンサンシティはこれまでにW.W.W、ゴスペルなどの犯罪組織の影響を受けてきた。
事件は解決したものの、それによって街の治安は悪くなっていった。
悪=カッコイイなどというふざけた風習が生まれた。
少しずれたことをしていた方が魅力的、タバコを吸い、喧嘩に明け暮れるのが青春などというメディアからの間違った影響も同時に受けているのが、中学生から高校生の連中だった。
たとえそれによって弱者が傷ついていたとしても、自分を誇示し続けるには全く罪悪感など無いのだった。
そして彼らの行き過ぎた行いを法は取り締まれない。
『少年法』だ。
彼らは暴力を振るっても人を殺しているわけではない。
たとえ人を殺そうとも少年法によって未成年ならば2年やそこらで出所することなど良くある。
親が大量の金を積み、目の眩んだ汚職警官や汚職警官が書類1つでそんな悪を街に再び放流する。
そして何度も同じことを繰り返すのだ。
法を犯すことを恐れない。
それは法を含めたこの街の全てが彼らを甘やかすからだ。
図に乗った彼らの欲望は留まることを知らない。
「.....」
「落ち着きなさい。言ったでしょう?怒りなんてあるだけ無駄だと」
メリーは駐車場に止まったハートレスのガヤルドの助手席で街を見ていた。
既に彩斗がいなくなって1週間目だった。
手がかりすら見つからず、巨大な組織であるディーラーも焦りを覚えていた。
そもそもがずっと施設で育ち、記憶もないため、頼れる身内などいないため、隠れることも出来ないはずだった。
クレジットカードも持たせているが、使えばすぐに分かる。
そんな状況でどうしようもないと分かっていながら、ハートレスに彩斗を探すことに強力を頼んだ。
本来ならこんなことはしたくない。
メリーはハートレスが苦手だった。
氷のような女性だと思っていたのだ。
街を歩く人の中に彩斗がいないかを見る。
しかし既に4時間近く経過するが、それらしき人間は1人もいない。
彩斗は少年でありながら美しい外見だった。
160センチメートル程の歳相応の身長にシミ一つ無い肌、中性的な顔立ち、青みのある艶やかな髪に、大きい目。
女性的な要素を併せ持った少年。
だが通るのは髪の毛をワックスで硬め、金髪や茶髪に染め、ピアスやタバコを加えた学生たち。
そしてその横を目につかないように、こそこそ歩いてい
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