星屑の覚醒
7 悪意の起動
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けないんだって」
熱斗はロックマンの言い分がよく分かった。
ふとピンクのYシャツと薄いラベンダー色のスカートに甘音色の長い髪の人形のように可愛らしい少女の姿が脳裏に浮かぶ。
正直、そんな才葉学園の生徒たちの一部に怒りを覚えかけていたのは事実だ。
そこでもし、彼らを裏切ったり、陥れるようなことをすれば、二度とその人間と関係をもつことは難しい。
まして分かり合い、友達になることも出来やしないのだ。
「ありがとう...彩斗兄さん」
熱斗は久しぶりにロックマンを兄と呼んだ。
男は目を覚ました。
ふかふかのベッドから起き、枕元の縁無しの眼鏡を掛けると、ゆっくりと洗面所へと向かう。
ここはデンサンシティのホテルだ。
デンサンシティのビジネス街に建ち並ぶビジネスホテル。
お洒落な内装の一人部屋。
いつもの朝の日課を済ませ、ハンガーに掛けておいたスーツに着替える。
昨日、いや今日の朝まで商談、そして取引を行っていた。
結果として昼が過ぎているというのに、睡眠時間は6時間。
成長期の子供では無いがもう少し睡眠時間は欲しい。
しかし今は已む得ない。
この街で1つの実験を行うためには、街中に武器をバラ撒く必要がある。
男は『Valkyrie』のセールスマンだった。
Valkyrieの製造した武器を売り捌く死の商人。
名前は『安食空夢』。
黒のメンズスーツに紫に赤いラインが入ったネクタイ、そして身長は175センチメートル、長い前髪を分けた外見。
ため息をつきながら窓の前に立った。
「...はぁ...あと2日でこの街ともお別れか...」
デンサンシティはこの数年でニホンの中でも犯罪統計はトップ、治安のレベルも地を這うようなくらいまで見事な転落を遂げた。
街を歩けば、ひったくりやひき逃げ、不良やギャングで溢れ、善良な市民が鳴りを潜めるというニホンでは最低最悪な街だ。
だが安食からしてみれば、そこまで酷い場所には思えない。
むしろ名残惜しくなってしまうくらいに平和な街に思えていた。
今日のスケジュールは2時間後に官庁街のオフィスビルの一室で取引、そしてギャングだらけの犯罪組織との商談だ。
そしてその後、この街を裏から牛耳るValkyrieの商売敵であるディーラーが管理する施設を乗っ取りを仕掛ける。
既に全体の30%程を占拠した。
計画が終了するまでにディーラーに妨害されるのを防ぐためた。
しかしディーラー相手でもこちらにも切り札がある。
売っている自分たちが言うのも気が引けたが、もはや銃やミサイル、戦車を使った戦いなど時代遅れだ。
それでこそ毒ガスや核などの化学兵器、もしくはシステムを乗っ取る、通信を傍受するなどといった電子戦
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