第五十話 政府の判断その一
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久遠の神話
第五十話 政府の判断
二人は地連で一佐にスペンサーのことを話した。地連の会議室で三人だけで話した。
一佐は話を聞いてからまずはこう言った。
「わかった。では私からだ」
「はい、政府にですね」
「お話して頂けますね」
「まずは長官にお話することになる」
防衛省長官にだというのだ。
「そしてそれからだ」
「総理の判断ですね」
「そうなる。時間がかかるかも知れない」
「すぐにできますか」
工藤は一佐の目を見て要望を述べた。
「出来ればですが」
「そうだな。剣士の戦いはすぐに行われるものだからな」
「大尉に返答する必要もあります」
「アメリカか。何かと厄介だな」
一佐は陸自の制服姿で難しい貌をして述べた。
「言うまでもないが我が国はね」
「日本の同盟国です」
「それがあるがしかし公のことだからね」
「水面下でどういったことがあっても」
「無関係になるからね。世界秩序に影響があっても」
「この場合は覇権争いになるのでしょうか」
日米の間で行われるだ。それになるのではないかとも言う工藤だった。
「我々は戦いを止めたいですから」
「そうなるかもな。問題はだ」
「本当に総理の判断ですね」
「そうだ、総理がどう考えて決められるかだ」
その問題になるというのだ。
「水面下でもアメリカに屈するのならな」
「話はそれで終わりですね」
「そうなる。まあ総理のお考えからすると大丈夫だろうが」
今の首相は日米同盟堅持が持論であるがそれでも引かないところは引かない人物だ。媚びてそれで国益を放棄する人物ではないのだ。
だからこう言うのである。
「あの人はわかっている人だからな」
「私もそう思いますが」
「一つの国が永遠に世界を主導するというのもな」
「よくないかと」
「うん、絶対によくないよ」
一佐はその通りだと述べた。
「それはね」
「そうですね。では」
「同盟国とかそうじゃなくて」
そうした問題ではなくだというのだ。
「このことは総理も引かないね」
「そうされるのなら何よりです」
「私もそう思うよ。では総理には」
「はい」
「私から長官に、そして総理にという形になるよ」
「どれ位かかりますか」
「剣士の戦いは緊急性の高いものだからね」
絶対に表に出るものではない、だがなのだ。
「戦いだからこそ」
「緊急性は高いですね」
「うん、だからすぐに返答は来るよ」
「具体的にはどれ位でしょうか」
「三日、かな」
一佐は少し考える顔になってその時間を述べた。
「どれだけ長くともね」
「わかりました、三日ですね」
「そうだよ。三日だよ」
それだけかかるというの
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