第五十五話
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第五十五話 再び転校生の話が
華奈子は美奈子から自分達の部屋でこの話を聞いた、そしてその話を聞いてこう言った。
「何かまたって感じよね」
「そう思うのね、華奈子も」
「だって。先輩もそうだったじゃない」
雅美のことを話してだった。
「転校生はね」
「そうよね、そのことはね」
「だからね」
またかと思ったというのだ。
「そう思ったのよ」
「私もなのよね、けれどね」
「また来るのね」
「そう、それでその転校生はね」
「どんな娘なの?」
「狼っていうかね」
ここで日本では絶滅した動物の名前が出た、ジステンバーで絶滅したらしい。
「何か結構ワイルドっぽい娘らしいわ」
「ワイルドなの」
「そう、そんな娘らしいわ」
「ちょっと想像出来ないけれど」
華奈子はワイルドと聞いて野性味ある女の子かと想像した、けれど想像出来たのはこれ位だった。それ以上となると。
どうも想像出来なかったそれで美奈子にこう言ったのである。
「どうもね」
「そうなの」
「具体的にどんなの娘なのかしら」
華奈子は首を捻って美奈子に言う。
「ワイルドっていっても色々よね」
「まあね。けれど狼っていうとね」
「格好いい感じ?」
華奈子は狼と聞いてこう述べた。華奈子の中では狼というと特に怖いイメージはなくむしろこうしたイメージである。
「そうした娘なの?」
「どうなのかしら」
「けれど狼って悪い生き物じゃないわよね」
「私もそう思うわ」
美奈子にしても狼については悪いイメージはない、この辺りは華奈子と同じだ。
「だからその娘もね」
「悪い娘じゃないわよね」
「そうね。けれど狼って気高いから」
美奈子は狼王ロボのイメージだ、この狼王はシートンとも正面から向かい合った気高い獣であった。
「その娘も気高いのかしら」
「そうなのかしら」
「どうかしらね」42
「悪いイメージはないけれど」
「具体的にはどんな娘なのか」
「ちょっとね」
わからないというのが今の二人の考えだった、そして。
華奈子の方からだ、こう美奈子に言った。
「とりあえず会ってからね」
「そうね」
これで話が終わった、結局はそれしかなかったからだ。全ては会ってからである。
第五十五話 完
2013・7・18
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