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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第09話
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「僕、俊吾のことを知りたい。どこか俊吾は苦しそうだから……」
ああ、やっぱり昨日の今日では上手くいかないか……。顔に出ちゃうんだろうな、俺って。
「あんまり人に言いたくはないんだけど……それでも聞きたいか?」
「……うん」
どこか覚悟を決めた目でシャルルは頷いた。
「……結論を先に言っちゃうと、俺、去年友達が死んじゃったんだよ」
シャルルが息を飲むのが分かった。だけど、話を止めるわけにもいかない。
「事故死でさ。これから一杯、やりたいことしかなかったけど、何も出来なくなったんだ。それで後悔しかしなくて、これからは精一杯全力で生きてこうって思ったんだ」
やっぱり、言葉は少し出づらいけど、昨日ほど感情に任せて全部吐き出したりしない。気持ちの整理が出来たって事だよな。
「今回もシャルルが困ってて、もしかしたら一生会えなくなるかもしれないから、後悔しないようにって感じだ。まぁ、理由はこんな感じかな」
「…………」
シャルルは黙って話を聞いていたが、全てを聞き終わってどこか申し訳なさな顔で俊吾を見ていた。
「何て言えばわからないけど……話してくれてありがとう。俊吾もこんな話ししたくないのに」
「いや、話すことは別にいいんだよ。気持ちの整理は付いたから」
「そうなんだ…………。変なこと聞くけど、その整理を手伝った人っているの?」
「え…………まぁ、いるけど……」
「誰か教えてくれない?」
「いや、まぁ、良いけど……」
シャルルのやつどうしたんだ?いきなり真剣な顔で……。まぁ、別にこっちは言いにくことじゃないから言うけどさ。
「生徒会長の更識楯無さんだよ」
「やっぱり……」
シャルルの呟きはとても小さく、俊吾には聞こえていなかった。
「ねぇ、俊吾……」
どこか深刻な顔でシャルルは言った。
「俊吾にとって楯無さんってどういう人?」
「どういう人って…………そりゃあ、大事な人だよ。色んな相談してもらってるし、今回の件もあるしな」
「その大事な人ってどう言う意味で?」
「どう言う意味でって……その言葉そのままの意味だよ」
「本当に?」
「本当だよ。というか、シャルル一体どうした?変だぞ」
「変、か。……確かにちょっとおかしかったかも。ごめん、忘れて」
「ああ、分かった。っと、そろそろ体も大丈夫になったか?」
「うん、大丈夫だよ。じゃあ、戻ろうか」
シャルルがそう言って。二人は寮に戻っていった。
◇ ◆ ◇ ◆
「ふ〜、今日も疲れたな……」
自室に戻ってきた俊吾はベットに座りながら、そう言った。
「……さっきのシャルルは一体どうしたんだろうな」
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