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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第09話
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えた。二人は声のした方向を向くとそこには高級スーツに身を包んだ男が立っていた。年は30代位で、身長が高くスーツが良く似合っていた。

誰だ、このおっさん……。シャルルの事を知っているってことはデュノア社関係…………しかも、呼び捨てってことは、まさか…………!

「お、お父さん……」

やっぱりか、と俊吾は心の中で悪態をついた。来るとは思ってたけど、少し気が抜けていたのも事実だ。昨日はラウラが問題を起こし、それを解決したばかりだ。立て続けにこんな風になるとは普通思わない。

「君は……大海俊吾くん、かな?」

「あ、はい。初めまして、カルロス社長」

俊吾は男を―――『カルロス・デュノア』に対し、そう言った。シャルルの話を聞かなければ、正直興奮してどうかしていたと思う。けど、今は状況が状況だ。心の中で覚悟を決め、どんな状況でも対応できるように頭を整理する。

「社長なんてやめて欲しいな。息子の友達なんだ。普通に呼んで欲しいな」

「恐縮です、カルロスさん」

シャルルはと言うと、どこか怯えた様子で俊吾とカルロスを見ている。俊吾はシャルルに『大丈夫だ、任せとけ』と目配せした。すると、シャルルは少し落ち着いたようだった。

「シャルル、学校はどうだ?」

「楽しいよ。俊吾とか一夏とか、みんな優しいし、先生も親身になってくれるし」

「そうか、それは良かった」

少し落ち着いたせいか、不自然さはなくシャルルはそう答えた。カルロスもシャルルのセリフに何も感じなかったようで、父親の役を演じているようだった。

とにかく、今この場は、シャルルが『男として学園生活を送っている』と思わせて帰ってもらわないと。

「そういえば、もう一人の男子の織斑一夏君はいないのかな?」

「一夏なら、今日はアリーナで訓練しています。俺たちは寮に向かってるんです」

「そうか……出来れば一夏君にも会っておきたかったな」

それはどう言う意味でなんでしょうね……。単純な興味としてか、それか……。

「突然だけど、二人共。好きな人はいるのかい?」

……いきなりどうしたんだ、このおっさん。頭湧いたか?

「ああ、ごめん。いきなり言われても困るよね。単純な興味なんだ。息子が青春しているのかって気になってね」

「僕は……いないかな」

シャルルは一瞬、俊吾を見てそう言った。その視線に視線を細めるカルロス。その変化を俊吾は見逃さなかった。その場を持ち直すために俊吾は考えていた作戦を実行する。

「俺もいません……」

「そうか……。いつか出来るといいね、二人共」

「お恥ずかしながら、俺は恋愛って言うのは出来ないかもしれないんです」

「それはどういう意味だい?」

カルロスは俊吾の撒いた餌
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