第一物語・後半-日来独立編-
第四十七章 火炎の鳥《3》
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花から魅鷺が離れるまではそんなことが幾度もあり、もうこちらも大人なのだから。
仁王立ちで、自身を強調するように立つ。
風はそんな介蔵の強さを示すように、速く強く吹き荒れた。
「これは神化系術“御風神”。かの御雷神と対になる系術で御座って――」
「すまぬが聞こえぬで御座る。大きな声で申されよ!」
これはこれはいけない。
咳払いをし、もう一度。
「これは神化系術“御風神”! かの御雷神とは対になる系術で御座って! 発動時間はフルに能力を使って――」
「聞こえぬで御座るよ! 小さい声では聞こえぬで御座る!」
「りょ、了解で御座る……」
おかしい。
先程よりも大きな声を出した筈だ。
しかし彼方に聞こえていないのならば、まだ声が小さいのだろう。
今度は肺に空気を入れ、腹から声を出した。
「これは神化系術“御風神”!! かの御雷神とは対の系術であって!! 発動時間はフルに能力を使って十分ちょっと――」
「聞こえぬで御座るよ――! 本当に声を出しているので御座るか――!」
「もう嫌で御座るううう――――――!!!!」
この声だけは、魅鷺に届いたが本人は意味が解らず首を傾げるだけだった。
身にまとう風によって声が掻き消されていたなどとは、今の介蔵には分からなかった。
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