第一物語・後半-日来独立編-
第四十七章 火炎の鳥《3》
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、順調に進んでいて何よりだ』
『だから悪かたって。過去を引きずる男は女に嫌われるぞ』
『あ゛?』
『すみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみません――』
連呼してきたので、後でぶん殴ると決めた。
落ちながら、各機器との繋がりを断つ。
もうこの騎神は使い物にならない。
修理するくらいなら、また一から造った方が利口だろう。
この騎神から意識を身体へと戻すため、最後の後片付けを済ませる。
『これからお前は結界へと向かえ。何時、結界が解かれるか分からないからな』
『あのさ、話し相手も連れてってもいいか』
『好きにしろ。結界に到着したらその場の支援。もしもの時は先輩方の方に連絡を入れろ』
『了解了解。じゃあな、通信切んだろ』
『ああ、またな』
『へいへい』
そして通信機器との繋がりも断ち、意識を戻す以外に後はもうすることはない。
ただ落ちていくなかでしばし落下を体験した後、操縦者は意識を自身の身体へと戻した。
眠くなるような感覚を得て、まぶたが重たくなる。
そのまま、重みに任せて目を閉じた。
周りは真っ暗だ。
次に初めに見る景色は、仲間のいる明るい倉庫内だろう。
●
地上の戦場。
大きく二つに分かれた勢力は、押すも押されるもどちらも行っていた。
時折、西貿易区域に張られた結界が小さく揺れる。
しかし破壊するにはまだ、それだけでは足りなかった。
西貿易区域の南。
貿易区域から離れた所では、強烈な風が吹き荒れて二人の忍者が互いに刃を交えていた。
日来学勢院の登吊・魅鷺と、宇天学勢院覇王会伝達者の葉隠・介蔵だ。
二人とも右手に握る忍刀を振り、迫る刃を刀で逸らしている。
風をまとう介蔵は、吹き荒れる風を割いて行く美鷺にしばし苦手意識を持っていた。
「子どもの頃は、よく稽古でお手合わせしたもので御座るな。しかし、自分は一度も魅鷺殿には勝てなかったで御座った」
「あの時は子どもだったゆえ、手加減というものが出来無かったので御座る。されど、それでは相手を侮辱するのと同じ。ゆえに、何時も本気で御座った」
「今度こそは勝たせてもらうで御座るよ!」
「その心意気、立派で御座る。受けて立つで御座る!」
刀を交え、お互い跳んで一度距離を開く。
相手の出方を待って、もし相手が動かないのであればこちらが先に動き相手を誘う。
それを二人は同時に行ったために、そのまま激しい乱舞のような戦いが始まった。
先に距離を縮め、攻めたのは魅鷺だ。
加速系術式を使い、一気に来たのだ。
「万象宗譜|《トータルスコア》ではメジャーな加速系術“駆々速”で御座るか」
「ご名答。駆々速は最低からの最高、最高からの最低の加速、減速を約束する系術で御座る。今の拙者ならば、三
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