第一物語・後半-日来独立編-
第四十七章 火炎の鳥《3》
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大気を圧し、一直線に戦竜は火炎ノ緋翼目掛けて行った。
砲撃を行えないうちの今が、攻撃の安全性が高い時だからだ。
近接戦闘に持ち込めば、勝機は必ずある。
しかし、遠いままではこちらは遠距離武器を持っていないためどうやっても勝てない。
ならばやるしかない。
直線という単調な動きに対し、彼方はどのように反応してくるだろうか。
狙い澄まし、時を待った。
「向かい打つよ!」
入直は言い放ち、言葉通りに火炎ノ緋翼は従った。
火炎ノ緋翼は加速機を噴かし、迫る騎神と武器を交わすことにした。
炎熱火砲を自身の判断で火剣へと変化させ、赤い刃が現れた。
それを青の刃と交じり合わせる。
鍔迫り合いは起きない。
何故ならば、
「全く、厄介だね。それは」
『よく言う』
戦竜が脚型加速機|《レッグスラスター》に納めた三本の流魔刀を宙に飛ばし、自動でこちらへと飛んで来た。
こちらを狙うだけではない。
刀身の長さも変えながらだ。
見た感じ、今は最大で十メートルくらいだろうか。
すぐに交えた流魔刀を払い除け、向かって来た三本の流魔刀も払った。
自動なため一人手に動くからか、特に力も無く払われたようだった。
気を抜くことは出来無い。
払った三本の流魔刀が回転を始め、旋回し、再び向かって来た。
「プログラミングしてるって言ってたし、多分柄の部分にプログラムする機器があるんだろうさ。なら、まずは柄を壊さないとならないか」
入直はそう考えた。
炎熱火剣では大振りなため、速度が遅く捕らえられないと思ったからだ。
肩に入直を乗せる火炎ノ緋翼はそれを聞き、こちらへと迫る流魔刀を見た。
格別速いと言うわけでもなく、目で追えない程ではない。
機械的判断で、柄の破壊は実行可能と判断。
だから行った。
まずは一本目は見送った。
後に続く二本目が、こちらの動きに合わせて刀身の長さを変えていたからだ。
そのため一本目は炎熱火剣で弾き、二本目も同様に弾く。
最後の三本目を掴んだ。
二本目の後からすぐに来る形だったため、軌道修正のプログラムが作動する前に掴むことが出来た。
不思議なことに、握っているのに握られた流魔刀はまるで出ようとするかのように勝手に動いている。
まるで生き物のようだ。
だが火炎ノ緋翼はそんなことは思わず、ただ流魔刀を握り潰した。
金属が無理やりねじ曲げられる音と共に青の刃は砕け、柄のなかの機器が爆発し刀の原形を失った。
息の根を止められたかのように、先程まで動いていた流魔刀は一切の動きをしなかった。
ただのものとなってしまったのだ。
空に壊れた流魔刀を捨て、空になった左手でまた来た流魔刀と握り、後から来る流魔刀を弾き飛ばした。
再度、流魔刀
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