歌い手、箱庭の仕組みを知る
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偉い人みたいだから敬語を選んだけど・・・あってるよね?
「知り合いも何も、あれに神格を与えたのはこの私だぞ。もう何百年も前のことになるがのう」
・・・失礼になるから口には出さないけど、貴女はいったいいくつですか?
何百年前って・・・その見た目でそんな年月を過ごしたとは思えないんだけど・・・本当に何者?
「へえ、じゃあオマエはあの蛇よりも強いのか?」
「当然だ。私は東側の“階層支配者”。この東側の四桁以下では並ぶもののいない、最強のホストなのだからの」
あ、この後の展開が読めたぞ・・・問題児三人組が目を光らせてるし、最強って言ってたからな・・・巻き込まれないといいんだけど・・・
「そう、なら貴女のゲームをクリアできれば、私たちのコミュニティは東側で最強のコミュニティということになるのかしら?」
「無論、そうなるのう」
「探す手間が省けたな」
ああ、三人がやる気満々だよ・・・確かに、コミュニティの強さを示すにはうってつけかもしれないけど、今さっき黒ウサギさんがお世話になってるって言ってたじゃん・・・迷惑かけたくないよ・・・
いや、白夜叉さんも笑ってるし、楽しんでるみたいだけど・・・
「抜け目のない童たちだ。依頼しておきながら私にギフトゲームで挑むとは」
「え?ちょ、ちょっと皆さん!?」
黒ウサギさんが慌てて止めようとするけど、白夜叉さんは構わないみたいだ。
右手で落ち着くように、と黒ウサギさんに示してる。
「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている」
「あら、ノリがいいじゃない。そういうの好きよ」
「一応言っておくが、奏も参加だからな」
「・・・拒否権は?」
「・・・無い」
これ以上の抵抗は無駄かな・・・出来れば、こんなことしたくないんだけど・・・
「さて、ゲームの前に一つ確認しておく事がある」
僕がどうするか悩んでいると、白夜叉さんは着物の裾から向かい合う双女神の紋が入ったカードを取り出し、恐怖を覚える笑みで一言、
「おんしらが望むのは挑戦か・・・もしくは、決闘か?」
その瞬間、白夜叉さんの取り出したカードが光り、その場が回転した。
いや、これは僕たちの脳に何かを流しているのか。
頭に浮かぶ光景は、穂波が揺れる草原、白い地平線を覗く丘、森林の湖畔。
今まで見たことのない光景ばかりが脳裏に浮かんでは消え、そのままどこかに投げ出される。
投げ出されたのは・・・白い雪原と凍る湖畔。そして一番目をひくのが、水平に太陽が廻っていることだった。
「さて、今一度名乗り直し、問おうかの」
僕たちが唖然としていると、白夜叉さんが問いかけてきた。
「私は“白き夜の魔王”――――太陽と白夜の星霊・白夜叉。箱
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