魔法先生ネギま!
0374話
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動車程度なら動かせる程度の力を込めてようやく扉が割れるように開く。
部屋の中から感じたのは冷たい空気。少なくても人の気配といったものは感じられない。
「様子を見てくるから少し外で待っててくれ」
先頭にいるあやかへと声を掛け、扉の隙間にその身を滑らせる。
まず目に入ってきたのは床に描かれた巨大な魔法陣と、其処此処にへばりついているように見える大量の赤黒い染みだ。
……どう見ても血だよな。
だが、血の乾き具合から見てここで実際に血が流されたのは数日とかそんなものじゃない。下手をしたら数年単位だろう。
そしてもう1つ奇妙な事に、血の流れた痕跡はあるというのにその血を流した死体は見つからない。そこら中にある血の染みを見る限りでは、普通の人間なら失血死していてもおかしくない量だ。そうなると、この部屋の主と血を流した人物は違うという事か?
警戒しつつ、魔法陣以外の周囲の様子を見る。
巨大な部屋の壁際には机や本棚、あるいは何らかの実験用の道具らしき物もある。
『誰だ』
「っ!?」
唐突に頭の中へと響いた声に、咄嗟に後ずさり部屋の外へと……
『逃がさん』
出る前に、その巨大な扉が重さを感じさせない速度で閉まる。
ったく、血の跡が残る部屋でポルターガイストとかどこのホラーだ。……いや、相坂がいたか。
「……お前こそ誰だ?」
内心で考えていた馬鹿な事を消し去り、いつでも戦闘が可能な態勢を取り口を開く。
『お前は私の研究成果を盗みにきた輩だな』
研究成果? つまりこの声の主はここで何らかの研究をしていた魔法使いか何かか?
「違う。強制転移でここに飛ばされただけだ」
『そう、お前の魔力。その巨大な魔力があれば私は正真正銘の不老不死に……』
不老不死? ピクリとその単語に反応する。
そもそも俺が魔法世界に来ようと思った理由は、魔法世界にあるという不老になると言われているマジックアイテムを求めてだ。この声の主がその研究をしていたというのなら、是非その研究内容を教えて貰いたい所だが、さっきから妙に話が通じていないと言うか、すれ違っていると言うか。
『何故だ。何故その魔力を持っているのが私ではないのだ。そう、本来なら私が……私がぁぁぁっ!』
……研究内容を聞くのはまず無理だな。と言うか、さっきからどこにいるんだ?
部屋の中を見回しても声の主らしき人物は存在しない。声に関しても念話によるものだ。
『アクセル君、アクセル君!? どうしましたの!』
頭の中に響くあやかの声。これもまたパクティオーカードの機能を使った念話だ。
いつ襲われてもいいように警戒しながらパクティオーカードを額にあてて『念話』と唱える。
『この迷宮……いや、研究
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