第百五十七話 ヴァンフリート星域会戦 その6
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威嚇砲撃を行い降伏を勧告した。
ヴァーンシャッフェ大佐は為す術もなく、帝国軍の捕虜となり、恥をさらす羽目になり、“部下を見捨てて逃げた臆病者”として捕虜達から冷たい目で見られる事になり、完全にローゼンリッター連隊員からの支持を失った。
全てがテレーゼの掌の上で踊らされた事であった。
宇宙暦794年 帝国暦485年 4月3日
■自由惑星同盟 ヴァンフリート星系 レーテル艦隊旗艦バンベルク
バンベルク艦内で、ラインハルトが自室から艦橋へ向かう最中にフレーゲルの従兄弟であるヴェルナー・フォン・シャイド大佐が待っていた為、途端に機嫌が悪くなる。
「おや、此は此はシェーンヴァルト男爵、今日のご機嫌は如何ですかな?」
「たった今、悪くなった所だ」
「それはそれは、体が丈夫でないようですな。流石は顔だけで寵姫になられたグリューネワルト伯爵夫人の弟君ですな」
「なに」
アンネローゼの事を馬鹿にされたラインハルトは拳を握りしめ殴りかかろうとする。その遣り取りをフレーゲル男爵達はにやつきながら物陰から眺めていた。何故ならラインハルトに先に殴りかからせ、加害者として処分する気であった。
「それに、武勲もなく出世だけするとは、私のような陛下と何の繋がりもない一男爵とは大違いですな」
「貴様!」
「どうしましたか?図星で八つ当たりですかな?」
普段であれば、キルヒアイスが居て、どうにかする所であるが、生憎と此処にキルヒアイスが居ない為、とうとうラインハルトが我慢できなくなり殴りかかるために腕を振り上げた。
“バシッ”と言う音と共に、ラインハルトの拳が握られた為、事態の推移に驚く面々。
「シェーンヴァルト准将、此処は戦場だ、無用な戦闘は止める事だな」
其処には、頭髪をオールバックに決めたキルドルフ少将がシャイド男爵を殴ろうと振り上げたラインハルトの拳を掴んでいた。
「なにを……」
何が起こったのか判らない状態の面々。
「フッ、キルヒアイス大佐はこんな事では激昂せんと思うぞ」
ラインハルトは、姉を馬鹿にしたシャイドを殴らせないキルドルフを睨み付ける。
「黙りか、おい其処に隠れている連中出てこい、出てこないならオフレッサー閣下を卿等の屋敷にお邪魔させるぞ」
呼ばれたフレーゲル達は巫山戯るなと隠れ場所から出てくる。
「装甲擲弾兵風情が、何を言うか」
開口一発フレーゲルが過去の事を忘れたかのように威張りくさる。
フレーゲルが出てきた事で、ラインハルトは自分が罠にはめられそうに成っていた事にやった気が付き、それを阻止してくれたキルドルフを睨み付けるのを止めた。
「フレーゲル男爵は、誇り高き帝国貴族でしたな」
「それがどうした、下賤な平民のくせに!」
「何処ぞの
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